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第七十話 ページ32

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沖矢さんと電車に揺られること10分弱。
目の前に威風堂々と構えている建物をぼけーっと見上げながら「すご…。」と思わず一言。


「あれ、行ったことないですか?」

「博物館は…お恥ずかしながら初めてで。」

「へえ、以外ですね。勉強熱心な貴方なら何度も足を運んだことがあると思ってました。」

「逆に家にこもって勉強してたタイプでした。」



目の前に見えるのは都内最高峰とも言える国立博物館。幾多なる国宝品を展示し、閲覧出来るところだ。

因みに隣にある科学博物館には昔よく足を運んでいた。



「じゃあ行きましょうか。」



差し出されたチケットを手にし…って、あれ?
私の手に収まったチケットを見るにもう既に会計は終わっているみたいだ。

首を傾げているとその表情に気がついた沖矢さんは「今日付き合ってくださるお礼です。僕に奢らせてください。」と穏やかに笑う姿が。


「そ、そんなの駄目ですよ!!」

「何が駄目なんです?」

「い、いや、この間も奢ってもらいましたし…。」


そのご好意こそ嬉しいものの、付き合う訳ではなく自主的にこうしてやってきたのだ。

それに、何か……罪悪感に苛まれるし。



「……分かりました、では付き合ってくださるお礼、ではなく男として貴方に格好いい所を見せたいから…なら奢らさせてもらえますか?」

「………え?」



何処かの恋愛漫画で見たことのあるような甘い言葉に一瞬理解が追いつかず目をぱちぱちと何度か瞬きさせる。

柄にもなく飄々とした様子は消え去り、素で顔を赤らめる沖矢さんを暫く凝視しているとそれを隠すかのように私の手が取られ沖矢さんが動き出したのと同時に動き出す。



「キザすぎ…ましたかね。…ほら、時間は有限なんでしょう?早く行きましょうよ。」

「ちょ、ちょっ!手を引っ張らないで下さい!!」




そんなこんなで、沖矢さんとの一日デートが幕を開けた。





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花帆 - 続編も面白いです!見合い話どうなるのか…次も楽しみですヽ(*≧ω≦)ノ (2018年6月16日 3時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - maoさん» いつもコメントありがとうございます…!恐らく今回のこの回で赤井さんと深く関わるのは最後かなーって感じです笑 これからは降谷さん安室さん中心ですのでお楽しみに! (2018年6月12日 16時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
mao(プロフ) - 更新ご苦労様です!降谷さんと赤井さんの三角関係か・・・うちはやっぱり降谷さん寄りがいいかと(笑) (2018年6月11日 22時) (レス) id: 5697599ead (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - salomeさん» 初めまして!いつも見て下さりありがとうございます!そうですね!夢主ちゃんを巡ってしばらくは三角関係になります!! (2018年6月5日 22時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
salome - 初めましていつも見ています沖矢さんが夢主にアプローチ三角関係?になるのかな (2018年6月5日 19時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/  
作成日時:2018年5月26日 0時

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