第六十一話 ページ23
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熱く、火照った安室さんの体の熱とぼんやりとした雰囲気がムードを醸し出していて次第に顔が赤くなる。
腰元に添えられた手は細いのに、がっしり掴まれて身動きが取れない。
あ、あ、…安室さんは何をしてらっしゃるのですか!?
逃げられない状況になっていることにようやく気が付きあたふたしていると、綺麗なアクアマリンの瞳が魅惑的に輝き私の目を見つめる。
いつもは甘い顔をしておいて、そんな表情もできるんだ…色気の製造機なのかなこの人。
離れられない状況で呑気にそんな事を考えているとふと、耳元に吐息がかかり肩が上がる。
み、み…耳元はダメですって安室さん!!
「今日のメイク…とっても素敵ですよ。……でも、あまりこういうのは僕以外に見せないでください。他の男の目に入ると考えただけで嫉妬で可笑しくなりそうですから。」
不敵に笑って私の体を離す安室さんに、私の心臓は機能がキャパオーバーし、頭が回らなくなる。
___『えー?だって安室さんも沖矢さんもAお姉さんのこと好きでしょー?』
こんな時にコナンくんの言葉を思い出しちゃって、なおのこと頭が回らない。
さ、流石に安室さんに限ってそんなことあるわけないよ!うん、きっとお酒の勢いで言っちゃっただけだろうし!!
近くにあった飲み物を手に取って「あはは、安室さん酔いすぎですよー!」と冷や汗をかきながらもぐいっと勢いよく煽る。
今の状況で急上昇した体温を冷ますのに適した温度の飲み物は自分の頼んだ味とは違って、なぜだろうと首を傾げる。
「……この味、スコッチ…?」
「……Aさん…それ、僕のです。」
「あ!?す、す、すみません!!」
思いっ切り持っていたグラスを落としそうになって慌てるも、私の手ごと安室さんの手で包まれ落ちるのを阻止する。
や、やっちゃった…!
恥ずかしさ半分下を向いてやり過ごそうとした瞬間私の手を伝う液体に気づいた安室さんがその液体をぺろりと舌で舐める。
びっくりのオンパレードでショートした私はグラスから思いっ切り手を離してしまい意味も分からず慌てふためく。
安室さんは私が持っていたグラスに口をつけ、カラン、と氷の音を響かせながらスコッチを飲んだ。
「間接キス、ご馳走様でした。Aさん。」
そ、それは言わないでください安室さん……ッ!
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花帆 - 続編も面白いです!見合い話どうなるのか…次も楽しみですヽ(*≧ω≦)ノ (2018年6月16日 3時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - maoさん» いつもコメントありがとうございます…!恐らく今回のこの回で赤井さんと深く関わるのは最後かなーって感じです笑 これからは降谷さん安室さん中心ですのでお楽しみに! (2018年6月12日 16時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
mao(プロフ) - 更新ご苦労様です!降谷さんと赤井さんの三角関係か・・・うちはやっぱり降谷さん寄りがいいかと(笑) (2018年6月11日 22時) (レス) id: 5697599ead (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - salomeさん» 初めまして!いつも見て下さりありがとうございます!そうですね!夢主ちゃんを巡ってしばらくは三角関係になります!! (2018年6月5日 22時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
salome - 初めましていつも見ています沖矢さんが夢主にアプローチ三角関係?になるのかな (2018年6月5日 19時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時:2018年5月26日 0時