隣の家の降谷さん2nd 【 降谷零 】

第五十八話 ページ19

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｢……あ、ああ！ごめんなさい、あっちの方にいる人達じゃなかったみたいですね！｣



先程笑みを浮かべていた人達はなぜか顔を真っ青にしながらそそくさと店から出ていくのが目に入る。

目の前に現れたイケメンに目を奪われたのか、女の子側が全員息を飲んだのが分かった。


｢ちょっと、A。声を出すのは失礼だよ！それとも知り合い？｣

｢ご、ごめん…。えっと…｣



小声でそう囁かれると本当に目の前に腰掛けた安室さんはふわりと効果音がつきそうなほど笑って口元に人差し指を添えてウィンクをした。

つまり…内緒にしてて。という解釈で間違いはないんだと思う。



｢ちょっとイケメンすぎて驚いちゃっただけだよ。｣

｢そうだよね…！今回めっちゃレベル高いかも！｣

｢う、うん。凄くかっこいい。｣



目の前にいる四人をちらりと見ると確かに皆イケメンだ。それに仕事の帰りなのだろうか、皆それぞれのスーツが様になっていて相乗効果を生んでいた。


隣をちらりと見ると口をぽかんと開けて全員をちらちらと盗み見る友人達。



｢……あ、じゃあ自己紹介でもしましょうか！｣



そんな安室さんの声の元、緊張した面持ちで自己紹介を始めたのは私達女子のメンバー。

対して安室さん側の人達はきりっとした声色で自己紹介をした。


手慣れている感が否めません…まぁ安室さんみたいなイケメンさんはこんな経験いくらでもしたことありそう…。



合コンには恒例だという席替えで、見事(と言っていいものなのか)一番人気、安室さんの隣を勝ち取ってテーブルの上に置かれたおつまみを齧る。


｢…あれ、お酒飲まれないんですか？｣

｢あー、Aはお酒NGなんですよ〜。飲んだら止まらないから。｣

｢確かに、豪酒だよね〜。｣

｢う、うるさいなぁ！ちょっと強いだけだもん。｣

｢いや、バーボンを割らないで飲む人間に言われたくないわ！｣

｢……そ、それは！！バーボンが好きなだけで…！！｣

｢ぶっ…！｣

｢え、あ、安室さん！？｣


既にお酒も回って顔を林檎のように真っ赤にさせてぺらぺらと喋る友人達は人の言葉を真似するインコのように口が軽い。

そんな時、隣から何かを吹き出すような声を聞いて思いっ切りその音のする方に顔を向ける。



｢だ、大丈夫です…ちょっと、お酒が喉元に突っかかっちゃって。｣








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