vol.4『足りない時間』 ページ5
レイ「お前いつも俺と一緒でいて楽しいか？」
「うん、楽しいよ？」
レイは本から目を離さずそう言う。
私はそんなレイに微笑みながら言った。
でも今日はそんな理由じゃない。
レイに今日は話したいことがあった。
「ねえレイ」
レイ「…なんだ？」
私は木から立ち上がり空を見つめた。
レイは相変わらず本から目を離さない。
「レイは外の世界に何があるか知ってる？」
レイ「…」
レイに大きな反応はない。
私はくるりと振り返りレイを見ればレイは本から目を離していた。
目線の先は私にあった。
「その本の中みたいに車が走ってて、
この施設みたいな家が建って家族がいる。
そう思ってる？」
レイ「…何言ってんだ？」
レイは片眉を下げてそう言う。
…やっぱり、レイは違ったのかな。
唯一の仲間だと思っていたけれど。
「…ううん、なんでもない。
変な事言ったね」
私はそう言って苦笑いする。
出荷の時期は近づいている。
私が、今度こそみんなを守らないと。
この施設のみんなを絶対に出荷させない。
私はまたレイの隣に座り膝を抱えた。
そして遠慮がちにレイの肩に頭をかけた。
「…少し、こうしてていい？」
レイ「ああ…」
私はそれを聞きありがとうと言う。
そして青い空を見つめる。
この格子の向こうには、本当に何があるんだろうね。
__________
_____
__
エマ「また捕まっちゃった〜！！」
ラスト一人、ノーマンとエマが一騎打ちは10分続いた。
エマにしては新記録で私のお腹に抱きついているエマの頭を撫でる。
「でもエマ、新記録じゃない。
頑張ったね」
私がそういい微笑むとエマはガバッと起き上がりノーマンを睨みつけた。
ノーマンは小さい子と一緒にお話ししてる。
その姿は息切れもなく余裕の表情だった。
エマ「くやし〜〜〜なんで！？
なんでノーマンあんなに強いの？
私かけっこじゃ負けたことないのに鬼ごっこじゃ勝てたことないよ！」
その言葉に私はうーんとする。
ノーマンにあってエマにないものか…
それってやっぱり…
レイ「問題。ノーマンにあってエマにないものなーんだ」
するとレイはエマにクイズ形式で問題を出した。
エマは「いっぱいありすぎる」と言って頭を悩ましていた。
私はそんなエマに微笑む。
「答えは“戦略”…でしょ？」
レイ「ああ」
エマに足りないものはそれだ。
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玲音 - はじめまして！この作品面白いです！ ただ、vol.21のところエマがキャロルに世話されてる文に見えた……多分"を"だといいと思います (2019年3月22日 17時) (
レス) id: b6f9d93532 (このIDを非表示/違反報告)
蘭ケーブル(プロフ) - レイ推し。さん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2019年2月23日 11時) (レス) id: 855de7cb2f (このIDを非表示/違反報告)
レイ推し。 - 凄い良い作品ですね！続き楽しみにしてます！ (2019年2月22日 0時) (レス) id: ac053a2b76 (このIDを非表示/違反報告)
蘭ケーブル(プロフ) - ドラゴンさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年2月18日 23時) (レス) id: 855de7cb2f (このIDを非表示/違反報告)
ドラゴン - 面白い作品です！続きを待ってます！ (2019年2月18日 0時) (レス) id: cddb962df9 (このIDを非表示/違反報告)
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