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【 安室 透 side 】




「安室さん、今日1日中 ぼーっとなさってましたけど何かあったんですか?」




閉店の片付けをしている時、梓さんに声をかけられる。




「いえ…! 今日はご迷惑を掛けてばかりで…本当にすみませんでした」




本当に、今日は酷かった。


飲み物をこぼしてしまったり
お客さんに声をかけられても気付かなかったり
お釣りを間違えたり



幸い、よく来てくれる若い女性の常連さんが多かったため

笑って許してもらえたが



こんな事 今まで1度も無かった。




「いいんですよ! 誰にでもそんな時ってありますから!」



「すみません…それではお先に失礼しますね」




エプロンを外し、ジャケットを羽織った。



そしてポアロの扉を開こうとすると、

外側から勢いよく扉が開く。




『…あっ』



「Aさんっ…!!」




目の前にいるのは


今、俺の悩みの種である 愛おしい彼女だった。




『……話がしたくて』



「…!! 僕も話がしたかった。ここではあれなので、僕の車内で話しましょう?」




頷く彼女をエスコートして車まで誘導した。


助手席に座らせ、自分の気持ちを落ち着かせる




『…まず、昨日は失礼な態度をとってしまって本当にすみませんでした』




昨日、とは Aさんが高校生とポアロの前を歩いていた時のことか。




『…1週間レンタルの最終日、安室さんの落としていった警察手帳見て本名は"降谷零"さんだとわかりました。

私、裏切られた気持ちになっちゃって。"所詮 他人なんだ"って。私だけが本気だったんだって……』




Aさんは涙を流しながら話していた。


初めて見る泣き顔。


こんな状況でも、愛おしいと思ってしまう。



そして僕は、いつの間にか彼女を抱きしめていた。




「……不安にさせてしまい、申し訳ありませんでした。僕…いや、俺はAさんを本気で大切に思っている。確かに初日はただ仕事のためだった。でも、後には引けないくらいAさんを好きになった。」




俺の腕の中で泣き続ける彼女をなだめるように

自分の想いを口にする。





"安室透" ではなく



"降谷零" として





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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:恋愛
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- 最高でした。このお話を見つける事が出来て本当に良かったです。 (2021年2月22日 21時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
YuA - 本当に最高でした!!めっちゃよかったです!ありがとうございました! (2019年6月5日 23時) (レス) id: e47fcee899 (このIDを非表示/違反報告)
- イナズマイレブン私も大好きです...!エイリア学園の3トップカッコいいですよね!穏やかなヒロトが好きです!降月さんは3トップの中で一番誰が好きですか?? (2018年5月20日 19時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
ナッポレオン@カレーが相棒(プロフ) - 凄くキュンキュンしました!安室さんかっこ良かったです!素敵なお話をありがとうございました! (2018年5月3日 13時) (レス) id: 8e13bd886f (このIDを非表示/違反報告)
あこい - 初めまして!一気読みさせていただきました!!途中で泣いてました笑。ドキドキさせていただいてありがとうございました! (2018年5月1日 19時) (レス) id: 774c550cbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:降月(ふるつき) | 作成日時:2016年6月25日 0時

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