楽屋で君に -叶えられない想い-【うらたぬき】

39話 ページ41

『ふぅ…行くか。いってきます。』

誰も居ない部屋にそっと呟く。


今日は、晴天か…

ちょっと暑いぐらいだなぁ…

引きこもりの私には、ちょっときついけど(笑)

さて、今日は何するんだろ。





ピーンポーン

浦「はーい」

ガチャ

浦「いらっしゃい。入って。」

あぁ、カッコいい…

オーラが…オーラが…っ

とにかく凄い…

『あっ、お邪魔します。』

浦「…Aちゃん、昨日は大変だったな。」

…昨日？…あぁ、あの配信ね。

『あぁ…まぁ…。人って身勝手だなって思ったけどね。ほんと、簡単に人の心を傷付けて、醜いよ。』

…まぁ、私も…

身勝手にうらたさんのこと好きになって…

醜いよね。

浦「…確かにな。画面越しに誰かが傷付くのに、次々と罵倒、侮辱とかする。
ネットの世界ってそんなもんだよ。
まぁ、ネットに限らなく人って人のこと傷付けるけど…」

その通りですね、うらたさん。

何も、正義が正しく見える訳じゃないんだ。

いくら、正しいことを言っても、

綺麗事、正義ぶってるって、

罵倒されるんだ。

浦「でも、昨日のAちゃんの言ってたことは、全部間違ってないよ。
罵倒してる奴等が間違ってるからな。」

『…ありがとう。渉さん…』

なんか、しんみりとした空気になったなぁ…

『あっ、昨日投稿された、新曲凄く良かったよ。カッコ良かった。』

話題を変えないと、ね。

でも、直接言うのって、結構恥ずかしいな…

まぁ、でも本当のことだし？

浦「っ…//…あ、ありがとう…」

…今の間は何だろう。ま、いっか。

浦「…ねぇ、Aちゃんは、リスナーさんとの恋ってどう思う？」

え、もしかして…


うらたさん、リスナーさんの誰かが好きだったのかな。

まぁ、私なんかが好きになっても、

叶わないって分かってたけど…

　 苦しい…

『…炎上とか、あるかもしれないけど、
渉さん達が、本気で好きあってたら…
良いんじゃないのかな。
私は、応援するよ。』


リスナーの一員として、応援する。


そして、うらたさんから身を引く。

『…同担拒否さんとかは、良く思わないだろうけど…
この前のセンラさんのやつみたいに…
でも、誰を好きになろうと自由だからね。』

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