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歌姫は父の話をする ページ1

私はみんなに話し始めた。
とある一つの“事実”を。

「私の父さんについて知ったのは
 この神木に眠ってるミラがまだ存在していた時代、
 テーベの地下迷宮って言う所の本に記されてたの」

父さんの事を事細やかに話す。
神竜族の血を元に造られた人造生物だった事。
のちに悪魔と言われた錬金術師フォルネウスが
生涯をかけて二つの研究を行っていて、
一つは死者を意のままに操る兵士とする事、
もう一つは「完全なる生物」を生み出す事、
それらから生まれたのが父さんだという事。

「錬金術師フォルネウスの遺した記録によれば、
 最初は小指の爪ほどの小ささだったらしいけど、
 80日経過して自らの血を与えた所で
 何かしらの変化が起きたらしいけど、その後から
 書き手は破壊衝動とかの激情に
 苛まれる様になったみたいで、
 次第に正気を失っていった事が分かった」

「その書き手は…どうなったのですか?」

「……分からない。書き手はどうなったのかは
 その記録には何も書かれてなかった。
 …でも、この時代に来て何となく分かり始めた」

拒絶、蔑み等をされる事を予想して、
私は…意を覚悟して結論を言おうとした時だった。

「私の父さんは___っ!」

《【ユウっ!避けろ!!】》

何かが私の横を通った気がした。
ハイドラと父さんが警告している。
二人の警告に従って、すぐさま避ける。すると、
……何もない所から突然ギロチンの刃が落ちて来た。

ドシャアッ!

「うーわあっぶなっ!何これっ!?」

「か、間一髪だった……」

【また来るぞ!】

《今度は下からだっ!》

何だかんだで避けながら逃げるしかない。
ルフレもクロムもちーちゃんも、
一旦この場から離れる事にしてくれた。
障害物競走じゃん、コレ。

「ちーちゃん上…ってうわっ!」
(飛んできた短剣を咥える)

「きゃあっ!」(上から網が落ちて来た)

「うわっ!何だコレはっ!?」(赤ペンキ被った)

「痛ったぁーーー!!」(金だらいが連続で降る)

《ねぇ、コレ何て障害物競走?》

【そんな訳あるかっ!!】

何このカオス。ってか、ハイドラもハイドラで
この状況でさらっとボケないで。

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作者名:Ampere | 作成日時:2018年4月7日 13時

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