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差出人不明だった一通目と同じ封筒、同じ便箋。



半信半疑だった私に確信を抱かせた二通目は



一通目から二ヶ月ほどの間が空いて私の手元に届けられた。















AA様

こんにちは。元気にしていますか。

日本は梅雨入りをして、毎日じめじめと暑いよ。

Aちゃんも体調には気を付けて。

ところで、こうして二度目の手紙を送っている事が悔しくてなりません。

本当はこんな手紙なんかじゃなくて、顔を見て君と話をしたかった。

だけど仕事の都合でそうも言ってられないから、こうして手紙にしました。

この間、デート中の新一君と蘭さんに会ったんだ。

彼女に「あむぴは元気?」って尋ねたそうだね。

急に聞かれたからなんだか気になって、ってわざわざ教えてくれたんだ。

タイミング的に一通目の手紙を送ったすぐあと、だよね?

これで僕はもう心置きなく君に会いに行けるというわけだ。

それにしても、仕事が立て込んでるのが本当に悔しい。

誇りを持っている仕事ではあるけれど、こういうときは自由に動けない身なのがもどかしくて仕方ないんだ。

仕事を放り出してでも会いに行きたいけど、それはこの仕事を終えたご褒美にとっておくよ。

きっと梅雨が明ける頃には会いに行くから。

安室透より















届いた手紙には、きちんと送り主の名が明記されていた。



安室透と書かれていたそれは間違いなく降谷さんからで。







会いたい、会いに来て欲しい。



返信も帰国もできない。



だけどあの手紙をそのままにはできなくて



蘭ちゃんづてに届いたらいいなって、運任せのアクション。



無事に通じたそれに、彼は気づいてくれたみたいだった。







仕事が忙しいのかもしれない、前より少し急いで書いた感じがした。



仕事っていうのはたぶん警察の方かな。



合間に書いたのかと思うと、胸がぽかぽかして、くすぐったくって頬が緩んだ。







早く。



早く、会いたい。







今は、待ってることしかできないけど。



彼に会いたくて走っていた少し前の自分を



懐かしいコーヒーの香りを、思い出した。



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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名無し98724号(プロフ) - 本当にキュンときました…素敵な小説すぎて一気読みしました。他のお話もですが、書き方がとってもお上手で尊敬しております!少しお聞きしたいのですが、BTという小説を読まれたことはございますか…?(急に失礼ですよね、すみません)素敵なお話ありがとうございました! (2020年3月29日 3時) (レス) id: f858c9eb21 (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - さちさん» さちさん、ありがとうございます!新作も引き続きよろしくお願いします! (2019年1月31日 11時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
さち - 初めから最後まで一気に読んでしまいました。素敵でした。新作も楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年1月31日 9時) (レス) id: ae1bab64f5 (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 深月さん» 深月さん、ありがとうございます!私自身、無事に完結してホッとしています笑 (2019年1月28日 16時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - すごく素敵なお話でした…!大好きです! (2019年1月26日 13時) (レス) id: a93ea5789b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももこ | 作成日時:2018年12月27日 15時

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