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水滴が、ぽたりとテーブルを濡らす。



降谷さんがキャップとワイヤーを解いて



開けてみるか...って、ボトルを私の手に握らせた。



丸い頭を引っ張ってみても、



固く押し込まれたコルクはびくともしない。







「欲望のまま君を抱くことが全てじゃない」



「抱っ、」



「身を寄せ合って語り明かす愛の形もある」







ストレートな言い方に思い切り力が入ったら



急にふっとコルクが浮き上がる感じがして



パンって弾けるように飛び出したコルクが



壁にぶつかって床に転がった。















「っ、びっ...くりした...!」







その音と動きに心臓がばくばく鳴って。



でもそれは、緊張した私の身体を解してくれた気がした。







「だけど、ありがとう」



「え?」







くすりと笑った彼が、ほんのり白いガスを吐き出すボトルを



手馴れた様子でグラスに傾けた。







「君がしたいようにしていいって言ってくれたから決心がついたよ。

せっかくここまで来たんだ...これくらいの贅沢をしたっていいだろ?」







しゅわっと淡い音を立てた金色の中



透明な泡が、きらきらと上へ上へ昇っていった。















「...綺麗」



「これは許すわけにはいかないな」



「別に飲みたいとは言ってません」



「なんだ、かわいげがないな」



「...む」



「なんだ、不細工だな」



「どうせ私はモブAですよ」



「薄化粧の方が好きだと言っただろ?」



「すっ、...またそうやって!」



「早く慣れるんだな」







さっきまでとは違う穏やかな時間。



どっちがいいとかはないけど



これはこれでとても幸せな気持ち。



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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名無し98724号(プロフ) - 本当にキュンときました…素敵な小説すぎて一気読みしました。他のお話もですが、書き方がとってもお上手で尊敬しております!少しお聞きしたいのですが、BTという小説を読まれたことはございますか…?(急に失礼ですよね、すみません)素敵なお話ありがとうございました! (2020年3月29日 3時) (レス) id: f858c9eb21 (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - さちさん» さちさん、ありがとうございます!新作も引き続きよろしくお願いします! (2019年1月31日 11時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
さち - 初めから最後まで一気に読んでしまいました。素敵でした。新作も楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年1月31日 9時) (レス) id: ae1bab64f5 (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 深月さん» 深月さん、ありがとうございます!私自身、無事に完結してホッとしています笑 (2019年1月28日 16時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - すごく素敵なお話でした…!大好きです! (2019年1月26日 13時) (レス) id: a93ea5789b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももこ | 作成日時:2018年12月27日 15時

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