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その後、風見警部補から告げられた事実と



帰ってきた降谷の表情を見れば



辞表を出すのに迷いはなかった。



逃げ出したのだと思われてもいいから



これ以上、自分のせいで大切な人を失いたくなかった。















辞表を手に理事官の元へ向かう途中で



降谷に鉢合った。



お互い、目の隈がひどいなと笑ったところで



目の前の男は、私の持つ封筒に気づいた。







『逃げるのか』



『......私は私の守りたいものを、この手で奪ったの』







降谷の大切な人間を奪ったのは私なのに



引き止められるなんて思ってもいなかった。







『ごめんね』



『何の謝罪だ、』



『だって.........、だって私がっ』



『やめろ!!!』







降谷が私の肩を掴む。



降谷のためにも、私はここにいない方がいい。



本当は優しいヤツだから...きっと怒りをぶつけられない。







『あんただってそう思ってるんでしょ!』



『違う!あれは、』



『私、が......っ、......私が...殺した...』







降谷の大切な人間を奪ったのが



その恋人...だった人間だなんてあまりにも残酷だ。



なのに真っ直ぐ私を見つめるアクア・グレイ。



私には、その瞳が眩しすぎた。















掴まれた肩を振り切って辞表を出しに行けば



話が終わるまで待っていたらしい降谷が



腕を組んで、部屋の向かいの壁に凭れてた。



俯いているから...前髪が邪魔して表情はわからなかった。















『本当に、辞めるのか』



『...お世話になりました』























こうして私は



現実から目を背けて



思い出すら置いて



運命から逃げるようにして



この場所を去ったのだ。



11 ※Side 零※→←9



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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ももこ(プロフ) - やぬっちゃんさん» いえ、こちらこそわかりにくくてすみませんでした...引き続きご覧いただけるとうれしいです! (2018年10月9日 10時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - ももこさん» そうだったんですね。すみません (2018年10月6日 7時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - やぬっちゃんさん» やぬっちゃんさん、ご指摘ありがとうございます!降谷さんの過去は不明ですが、"俺"は原作で一度、映画やスピンオフではまだ不使用。他の小説も同様ですが、私の小説では降谷零≒俺のもと、不意に出るような使い方をしておりますのでご理解いただければ幸いです! (2018年10月5日 10時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - すみません、降谷さん、安室さんの時の一人称は僕ですが降谷の時は俺です (2018年10月4日 18時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 明里香さん» 明里香さん、ご指摘ありがとうございます!大変失礼いたしました、修正済みですので引き続きお楽しみいただけたらと思います! (2018年9月20日 23時) (レス) id: d8ab7f7f28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももこ | 作成日時:2018年9月20日 11時

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