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念のため警戒しつつドアを押し開くと、そこには階段。
下りになっているその先は薄暗く
どうやら地下通路に繋がっているようだった。
通路の幅は一人分、並走は難しいだろう。
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「.........ねぇ、降谷!」
「なんだ!」
「船着場以外の逃走経路に心当たりある?」
「...駐車場があったな」
「だったらこの通路はそっちに繋がってるのかもね、船よりずっと現実的だし」
「よし、走れ!」
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降谷の合図で迷うことなく階段を駆け下りる。
私の後ろに続いた降谷が、ドアを再び閉めた。
これでもう男達は手が出せないだろう。
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一分も走れば出口に辿り着いた。
上り階段になっているし、おそらく地上だ。
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「警戒を怠るなよ」
「.........罠だったらどうする?」
「...お前と死ねるなら本望だな」
「ウソばっかり、死ぬつもりなんて毛頭ないくせに」
「色気のないヤツだな」
「あんたと死ぬなんて、私はごめんだもの」
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薄暗い通路に不釣合いな冗談を言い合いながら
そっとドアを引けば...案の定、駐車場に繋がっていた。
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「俺が乗ってきた車が停めてある」
「廃車になったんじゃないの?」
「代車だ。相棒を廃車になんてしてたまるか」
「へぇ、妬ける」
「バカかお前は。いつまで相棒のつもりでいるんだ」
「............それ、」
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パァン!
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「ぅぁ......、っ...!」
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乾いた音と共に顔を歪めたのは.........私だった。
膝から崩れた私に駆け寄る降谷が
素早く、私の肩に腕を回して抱きかかえた。
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「おい!」
「大丈夫......出血は...多いけど、問題な、い!」
「あまり手間をかけさせないでくれよ」
「...沢、...村......!」
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気味の悪い笑みを浮かべる男を睨むように見上げた。
脇腹を掠めたそれは致命傷には至らないだろうが
このまま血を流し続ければ失血死は免れない。
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「まさか解除されるとは......だけど、ボクを甘く見ない方がいいよ」
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スーツのジャケットを脱いで、患部を圧迫する。
そうしている間にも沢村は一歩ずつこちらに歩み寄る。
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「......もうどちらも消してしまおうか」
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バーボンは生かして持ち帰りたかったと嘆く男は
先に銃口を私に向けた。
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ももこ(プロフ) - やぬっちゃんさん» いえ、こちらこそわかりにくくてすみませんでした...引き続きご覧いただけるとうれしいです! (2018年10月9日 10時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - ももこさん» そうだったんですね。すみません (2018年10月6日 7時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - やぬっちゃんさん» やぬっちゃんさん、ご指摘ありがとうございます!降谷さんの過去は不明ですが、"俺"は原作で一度、映画やスピンオフではまだ不使用。他の小説も同様ですが、私の小説では降谷零≒俺のもと、不意に出るような使い方をしておりますのでご理解いただければ幸いです! (2018年10月5日 10時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - すみません、降谷さん、安室さんの時の一人称は僕ですが降谷の時は俺です (2018年10月4日 18時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 明里香さん» 明里香さん、ご指摘ありがとうございます!大変失礼いたしました、修正済みですので引き続きお楽しみいただけたらと思います! (2018年9月20日 23時) (レス) id: d8ab7f7f28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももこ | 作成日時:2018年9月20日 11時