30.オールド・パル ページ30
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小声で話しかけてきた降谷は。
何人か殴り倒しながらこちらに一直線に来たようだ。
さっきまで降谷がいたであろう場所には
未だ暗闇に慣れない男達が
降谷を探して倒れている者に躓いたりなどしている。
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「金で雇われただけの連中だからな。紛れ込みやすかったよ」
「なんだ、だったらもっと早く助けてくれればよかったのに」
「啖呵を切るお前がカッコよくて、つい見入った」
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悪趣味だと呆れて肩の辺りを小突けば
まだ付いたままの手錠がカシャ、と音を立てた。
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「...その手錠、どうしたんだ?」
「はぁ?あんたが外してくれたんじゃないの?」
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そこまで言って、冷静になる。
降谷が紛れていた男達から見て
私が拘束されていたのは真正面。
降谷に打ち抜けるわけがない。
だったら誰が...と私が考えるより先に
切れた鎖の部分を確かめるようにした降谷が舌打ちした。
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「......今回ばかりは感謝すべき、か」
「何?どういうこと?」
「なんでもない。礼は後で僕からしておくから気にするな」
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手錠を外しながら何やら不機嫌気味の男に
説明を促そうとすれば
誰かが電気系統を復旧させたようだ。
倉庫内に再び明るさが戻る。
雇い主はそこで伸びているというのに
どうやら私達の姿を捉えた男達に引く様子はなさそうだ。
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「どうすんのこれ」
「入口は固められてるな」
「壁、レンガでしょ?割れないの?」
「弾をムダにしたくない」
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スーツのジャケットを脱いだ降谷が
私にノートパソコンを渡してきた。
倉庫内に隠されていたことから沢村のものだろうと言う。
露になったショルダーホルスターから覗くそれに
男達は、少し怯んでいるようだ。
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「見たところ銃を所持しているようなヤツはいない...これに頼るのは最後の手段だ」
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後ろを見てみろと指差されて視線を向ければ
壁を外側に押し出すようにして作られたドア。
そこには、電子ロックが施されている。
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「テリトリーだとか言ってただけあって随分と改良されてるようだ。
来る前に周辺を調べたが...そのドアの先はおそらく船着場」
「暗証番号は?」
「知るわけないだろ?」
「は、」
「そこで提案があるわけだが」
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そう言って降谷は、不敵に微笑んだ。
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ももこ(プロフ) - やぬっちゃんさん» いえ、こちらこそわかりにくくてすみませんでした...引き続きご覧いただけるとうれしいです! (2018年10月9日 10時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - ももこさん» そうだったんですね。すみません (2018年10月6日 7時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - やぬっちゃんさん» やぬっちゃんさん、ご指摘ありがとうございます!降谷さんの過去は不明ですが、"俺"は原作で一度、映画やスピンオフではまだ不使用。他の小説も同様ですが、私の小説では降谷零≒俺のもと、不意に出るような使い方をしておりますのでご理解いただければ幸いです! (2018年10月5日 10時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - すみません、降谷さん、安室さんの時の一人称は僕ですが降谷の時は俺です (2018年10月4日 18時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 明里香さん» 明里香さん、ご指摘ありがとうございます!大変失礼いたしました、修正済みですので引き続きお楽しみいただけたらと思います! (2018年9月20日 23時) (レス) id: d8ab7f7f28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももこ | 作成日時:2018年9月20日 11時