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あの日、組織の人間の侵入を許してしまった場所。
警察庁内の一室で、私達は対峙していた。
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「リスクを避けて証拠を隠滅するには、そのパソコンが最適だもんね。
オリジナルもコピーも一度に消せるし...追跡されたとしても足が付かない。
......だからってこんなに簡単に引っかかってくれるとは思わなかったけど」
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ずっと、ずっと探していた。
やっと、やっと捕まえられる。
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「三年前のあのソフト...あんたが作ったんでしょ?」
「......何の話かな?」
「悪いけど、あんたの探してる証拠なんてどこにもないの」
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ここにいること自体、言い逃れなどできないはずなのに
沢村はあくまでも白を切るつもりらしい。
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「だけどこのサーバー内にあんたがいること、そしてその開かれた画面こそが証拠」
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観念しなさい、と詰め寄れば
あーあ、いつからわかっていた、と。
沢村は両手を上げてふざけたようにため息をついた。
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「最初に違和感を感じたのは、データサーバーに何も残らなかったこと。
そこから内通者の線を探り始めたら、三年前の桜木暗殺と同一人物の可能性が高くなった。
...こんな風に証拠の残らない手口なんて...誰もがそう簡単にできることじゃないもの。
そして今回、潜入捜査官があんたの暗殺計画があるって情報を掴んだ」
「ウソだってバレてしまったけどね」
「その捜査官が、桜木暗殺はデマだったと掴んできたのよ」
「......あー...なるほどね...」
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沢村は、眉を上げて余裕のありそうな笑顔を保っている。
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「そもそも用意周到すぎるなとは思ってた」
「へぇ?」
「...ソフトを仕込んだのは、桜木暗殺を阻止されないよう念を押したんだって考えてたけど。
計画自体がデマだとしたら、組織の人間が意図的に流したと考える方が妥当でしょ。
あまりにも大胆な計画だけど...こっちの人間の情報なら、そうまでする価値はある」
「それだけで私が内通者だと?」
「ノックは、資料室のパソコンでしか入手できない情報を知ることができる。
それを利用できるのは...私の存在を、私があの件に関わっているのを知ってる人間だけ。
関係者に聞いたら、あんたが私の名前を挙げたことも...口止めしたことも話してくれた。
あんたは私の存在を知っていて、私を利用するためにサポート役に推薦した」
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これが、真相だ。
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ももこ(プロフ) - やぬっちゃんさん» いえ、こちらこそわかりにくくてすみませんでした...引き続きご覧いただけるとうれしいです! (2018年10月9日 10時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - ももこさん» そうだったんですね。すみません (2018年10月6日 7時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - やぬっちゃんさん» やぬっちゃんさん、ご指摘ありがとうございます!降谷さんの過去は不明ですが、"俺"は原作で一度、映画やスピンオフではまだ不使用。他の小説も同様ですが、私の小説では降谷零≒俺のもと、不意に出るような使い方をしておりますのでご理解いただければ幸いです! (2018年10月5日 10時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - すみません、降谷さん、安室さんの時の一人称は僕ですが降谷の時は俺です (2018年10月4日 18時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 明里香さん» 明里香さん、ご指摘ありがとうございます!大変失礼いたしました、修正済みですので引き続きお楽しみいただけたらと思います! (2018年9月20日 23時) (レス) id: d8ab7f7f28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももこ | 作成日時:2018年9月20日 11時