11 ※Side 零※ ページ11
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『資料室の子、思った以上の実力だった』
『ちょっとお前に似てるとこあんだよなー...』
『彼女、笑うと美人が増すんだよ』
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ヒロがAに好意を抱いているのは
わりと早い段階でわかっていた。
それこそ、おそらく本人が自覚するよりも先に。
ヒロに好意を持たれて好きにならないヤツなんて...という、
僕の予想を裏切るように避けられているのだと相談されたが
自販機の前で出会った時、彼女がそうだと一目でわかった。
ヒロが駄々漏れにしている好意のせいもあるが
思ったよりも無愛想なヤツではあったものの
間違いなくコイツもヒロを好きだろうと思った。
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『ゼロ。お前、Aのことちょっと好きだろ』
『僕は淑女しか好まない』
『...ふーん?』
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一度だけ、そんな会話をしたことがある。
ヒロなりの牽制だったのかもしれない。
幼馴染であり、親友であり、仲間であり、同志である。
幸せを願わない理由なんかなくて
実際、本当に二人が幸せになればいいと思った。
アイツのことがなぜか気になるのも
なんとなく放っておけないと思ってしまうのも
...笑っていて欲しいと、思ってしまうのも
ヒロが散々、熱弁してきたせいだと思い込んだ。
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『......私は私の守りたいものを、この手で奪ったの』
『私、が......っ、......私が...殺した...』
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ヒロより先に出会えていたらとは思わないが
その笑顔が見られなくなったことに僕は動揺した。
アイツが笑顔でいられるならそれでいいって
ずっとそばで見守り続けていたのに
最も残酷な方法でヒロはAを遺した。
だからこそ
ここにいることで涙を流すならと一度は手放した。
それから
そばに置こうと決断するまで三年という時間を要した。
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そして今、ようやく真相に辿り着けるかもしれない。
それによって何もかもが元通りとはいかないだろうが
その時には
戻ってこいと
手を差し出しても......いいだろうか。
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ももこ(プロフ) - やぬっちゃんさん» いえ、こちらこそわかりにくくてすみませんでした...引き続きご覧いただけるとうれしいです! (2018年10月9日 10時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - ももこさん» そうだったんですね。すみません (2018年10月6日 7時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - やぬっちゃんさん» やぬっちゃんさん、ご指摘ありがとうございます!降谷さんの過去は不明ですが、"俺"は原作で一度、映画やスピンオフではまだ不使用。他の小説も同様ですが、私の小説では降谷零≒俺のもと、不意に出るような使い方をしておりますのでご理解いただければ幸いです! (2018年10月5日 10時) (レス) id: 12dd65b537 (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - すみません、降谷さん、安室さんの時の一人称は僕ですが降谷の時は俺です (2018年10月4日 18時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 明里香さん» 明里香さん、ご指摘ありがとうございます!大変失礼いたしました、修正済みですので引き続きお楽しみいただけたらと思います! (2018年9月20日 23時) (レス) id: d8ab7f7f28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももこ | 作成日時:2018年9月20日 11時