65.嵐のあとの信頼関係4 ページ30
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「お前を昇進させなかったら誰が出来るんだ、これまでの案件を人事考課の対象にしない訳にはいかんぞ!」
「でしたら、僕の給料に使う筈だった金は公安部の飲み代にでもしてやってください。
僕はまだ現場を離れる気はありません」
「お前を据え置きにしたら他の連中も動かせんだろうが!自分の功績のでかさを考えろ!」
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どうやら話というのは昇進のことだったようで
ギリギリになって音信不通になったせいで
返事を先延ばしにすることは不可能なようだった。
降谷さん曰く、"とっくに断ったはず"らしいけど。
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「《存在しない者》の上げた功績はいっそ無視すれば良いじゃありませんか。
どちらにせよ、最後は現場で踏ん張った連中がいなければ組織壊滅はあり得なかったんですから」
「ええい、次から次へと屁理屈ばかり捏ねおって!」
「...と言われましても」
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お前も何とか言わんか、A。
そんな風に言われても...さっきのこともあるし気まずい。
そもそも、降谷零がこれを断るなんて思ってなかった。
この国を守ることを考えれば、より高みを目指すと思った。
ただ...二、三年後にはっていう降谷さんの意見を
どっかの都合で無視してるのは、どうやらあっちの方らしい。
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「降谷さんが現場に居たいとおっしゃるのでしたら、それでも良いんじゃ。
まだまだ現場に伝えることもたくさんあるんでしょうし」
「わかっとるのか、降谷の昇進が不意になるということは、お前の昇進も無いということだぞ。
新人のお前にまたとないこのチャンスを、上司のワガママで評価されず終いになっても良いのか!」
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ああ、そういうことか。
風見さんがなびかなくても、私なら説得できると。
私が昇進を望めば、降谷さんは優しいから承諾すると。
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「...別に構いませんが」
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好意がバレところで仕事に支障はない。
降谷さんが結婚したところでやっぱり仕事に支障はない。
唯一の転生補正として、お金には困らないようになっている。
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「...良いのか?」
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思わぬ方向から意思を確認されて拍子抜けする。
意外にも人使いが荒いのは承知していたらしい。
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「このまま僕の下ってことだぞ」
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それと、私がこの世界の住人じゃないことを知った今
この職を辞するという選択肢を遠回しに提示してるんだろう。
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未桜 - 本当大好きですこれドタイプです……。テーマ一本釣りされて参りました。ストーリーも自然だし、キャラクターの魅力がとても引き出されていました! トリップした事に現実味のある主人公へかなり感情移入してしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました! (2021年12月22日 0時) (レス) @page36 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル(プロフ) - 最っ高です!!!大好きな作品の1つになりました!これからも頑張ってくださいね(^^♪応援してます! (2020年6月8日 15時) (レス) id: b8ac5a9a04 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 最高… (2019年12月14日 17時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
神と名乗る凡人 - 最高ですね!これで読むの2回目のなるんですが何回読んでも感動します。上から出申し訳ないんですが、書き方も本当にプロで出せるような文章ですごく引き込まれました。これからも頑張ってください!応援してます。ありがとうございました!! (2019年8月31日 2時) (レス) id: 5e8845cf1b (このIDを非表示/違反報告)
華蓮(プロフ) - 感動しました!!降谷零という人物が更に好きになりました!!話を読んでいて、表現の仕方?がすごく好きです、読んでいて面白かったし、キュンキュンしました!!これからも頑張って下さい!! (2019年4月30日 1時) (レス) id: 28b0b44997 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももこ | 作成日時:2019年3月8日 16時