【名探偵コナン】亜麻色ミルクティー【降谷零】

19．世界はまわると言うけれど ページ19

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今日もポアロに安室さんの姿はない。



昨日のことがあったから、



今日こそ会えたらって思っていたのに。



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結局、欲しかった答えはもらえなくて。



『貴方のknightに聞いてみたら？』



なんて、はぐらかされてしまった。



やっぱり、あの二人はそういう関係なのだろうか。



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二十九歳。好きな花は桜。趣味はボクシング。



お料理だけじゃなくて、テニスやギターも上手。



それからそれから。好きな食べ物はセロリ。



それで、それで。.........それだけ。



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肝心なことは何一つ知らない。



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ずっと前から聞きたくて仕方がなかった謎の数々は。



怖くて聞けないままで。



......それでも聞かないでいれば、このままでいられる。



そんな風に考える自分は、なんて意地汚いんだろう。



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「謎は...勝手に解けはしない、か」



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「解き明かしたい謎があるんですか？」



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心臓が高鳴った。



喉がきゅっと塞がって、



何か言いたいのにそれができない。



それほど会いたかったのだと、今になって気づいた。



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「あ、むろさ...」



「お久しぶりです」



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「......出勤、してたんですね...」



「ええ。たった今、買出しから戻ったところです」



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「.........会いたかったです...」



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その言葉は、案外すんなりと口をついて出た。



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「...今日は後一時間ほどかかりそうなんですが...コーヒーをお淹れしても？」



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コーヒーを飲んで待っていてください、



そう解釈してもいいのだろうか。



頭に浮かんだのは昨日の女性。



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けれど...今日だけ。



もう少し、意地汚い私のままで。



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「...ミルクティーがいいです」



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