【名探偵コナン】亜麻色ミルクティー【降谷零】

17．Miss Mystery ページ17

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スーツ姿の彼を見かけた日からしばらく経つけれど



あれきり、その姿を見ていない。



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あと一週間もすれば夏休みが始まる。



ポアロに行く回数を増やそうかな、と思っていたけれど



どうやら安室さんはあれから一度も出勤していないようで



梓さんも心配していた。



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ポアロからの帰り道。



安室さんと歩いた道を一人で帰るのが寂しくて、



ほんの少し遠回りをした。



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その、信号待ちの向こう側。



見覚えのある白い車。その...運転手。



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顔までは見えなかったけれど。



この間のようなスーツ姿ではなかったけれど。



見間違いではなかったと思う。



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それは紛れもなく、思い焦がれていた彼だった。



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顔が見えなかったのは、彼が助手席の方を向いていたから。



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彼の視線の先には―――プラチナブロンドの長い髪。



遠くからでもわかるその美しさに目を奪われているうちに



彼の車は反対方向に曲がっていった。



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その直前、その女性が軽い微笑を左の頬にだけ浮かべて



目が合ったような気がしたのは、



私の気のせいではなかったと



その微笑が私に向けられたものだとわかったのは、



その夜のことだった。



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「Hi, sweet little girl.」



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日付も間もなく変わるというタイミングで



インターホンが鳴ったこと自体、不自然だった。



モニター越しだというのに...



彼女の美しさは静かな闇夜の中で



よりいっそう、その輝きを増していた。



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