【名探偵コナン】亜麻色ミルクティー【降谷零】

14．風のららら ページ14

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...結論から言うと、言葉通り送ってもらっただけだった。



収穫があったとしたら...あの童顔で二十九歳。



私より九つも年上という驚きの事実がわかったくらい。



それと...年齢以外に私が知ったこと。



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「お花屋さんでアルバイトを？」



「姉が好きで...その影響を思い切り受けました」



「いいじゃないですか、Aさんのイメージにぴったりですね」



「っ、そういうこと言わないでください...」



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会話が途切れないのは、安室さんのおかげ。



どうやら安室さんは聞き上手。



だから...



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お付き合いをしている方はいるのかとか



好きな食べ物とか趣味とか特技とか



...連絡先とか。



そういったことは聞き忘れてしまったのだ。



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それと、もう一つだけ。



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「僕はそうだなぁ...桜の花が好きですね」



「え...私もです！」



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安室さんは...桜の花が好き。



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「「どうして桜が好きなんですか？」」



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自分の声に重なる、安室さんの声。



二人で顔を見合わせて...それから笑った。



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「では、Aさんからどうぞ」



「ええと......桜は、勇気の印ですから」



「桜にそんな花言葉はなかったような...」



「私の父、警察官で...小さい頃からそれが私の自慢でした」



「...そうだったんですか」




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「桜は警察の人がみんな付けてるマークで、強くて優しくてカッコイイ正義の花」



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安室さんにはこの意味がすぐわかったみたいだった。



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「桜の代紋、ですか」



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「...これも姉の受け売りなんですけどね」



「素敵なお姉さんですね」



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その時の安室さんの笑顔が



その髪色に負けないくらい



とても柔らかくて、優しくて



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そんな風に笑ってこっちを見るから



はい、って言うのが精一杯で



安室さんは？どうして桜なんですか？って



聞きそびれてしまった。



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