クロノスタシス ページ42
A「ハァ、ハァ、」
Aは咸陽に向けて、馬を走らせていた
額から汗が流れ落ち、呼吸を荒くする。
趙が国境の守備最前線で必要不可欠な馬陽に攻め入ったという急報が入り、王宮を激震させた
完全に虚をつかれた猛威に文官達は大騒ぎだ
A「父上、、、、」
昌平君「来たか、A」
A「………先生…父上は、」
昌平君「中で大王様と話している」
A「……………………………………」
この馬陽の危機に、秦国武将・王騎が十万の総大将に任命された
――――――――――――
辺りは暗く、黒一色に染まった
夜に降る闇の視線は燈色の光に照らされている王騎の元へ釘付けだ
夜空を眺めながら片手に酒を飲む
王騎「おやァ？これはこれは、昌文君ではないですかァ」
昌文君「…………………………王騎…………」
秦国守備最前線「馬陽」そこは王騎、昌文君の忘れられない場所である。
六大将軍の一人「摎」、王騎の妻になるはずだった女性の名だ
馬陽の戦いにより摎を亡くし、昭王も亡くし、もう地に足が着く事はないと思っていた王騎、
現秦国王・嬴政と出会い、「中華統一」という大きな夢を実現させると共に、Aという可愛い娘が出来た、
太陽のような暖かい笑顔で「父上」と呼んでくれる姿に、何時も心癒され、日々を送ってきた
束の間の一時、扉からドォォォォン!!という音がした
A「父上ッ！！！！！」
息を切らしたAが扉を勢いよく開けて、入ってきた
A「私を此度の戦に連れて行かないとは、どういう事ですか！！！！」
Aから発せられた言葉は、衝撃の一言だった
A「…………何故ですか…………」
王騎「………………もう一度言います……
私はAを今回の戦に連れて行きません」
王騎は何時になく、冷たくあしらう
Aの方を見ようとせず、ただ酒を飲んでいた
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作者名：カンロ飴 | 作成日時：2022年11月21日 20時
