鬼灯の花を片手に 2 (ページ31)

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屋根を駆けるページ31

恬「ね〜ちょっと、もうちょっと此処にいてもいいじゃん〜？」

賁「もう予定は終わった、早く帰るぞ」

恬「もうちょっと此処の綺麗なおねーさん達を見ていきたいんだけどな〜……」

王賁と蒙恬は小さな戦の後に街に来ていた

蒙恬の「可愛いおねーさん達を見よう」という気持ちから王賁まで連れてこられた

王賁の額には青筋が浮かんで来ている、そんなことお構い無しに蒙恬は街の奥に足を進めた

城下街は多くの人で賑わっている、昼間なので特に食事場、行列を作ってる店をしばしば、

しかし、そんな賑わっている城下街に小さな事件が起きる

街人「きゃあああ！！！ひったくりよ！！！！」

女性の甲高い声が街に響く、蒙恬らがすぐそこを見ると男が荷物を奪い走りさろうとしていた

周りの人達が止めようとするも男は体当たりで上手く逃げて行く、路地裏に入り込み屋根に登って走った

賁「(あの身のこなし………捕まえるのは少々時間がかかるか？)」

恬「(……屋根なんてそう簡単に走っていけるものじゃない、かなり手馴れている……という事は似たような事が多いのか、男の身体能力が高いのか……)」

王賁らは走って男の方を追いかけるも、男がかなりの身のこなし、追いつく事が出来ない

王賁らの後からものすごい速さの足音がした、地面を蹴る音では無く、瓦を蹴るような音、、

賁・恬「！？」

黒髪の女性が男と同じように屋根を駆けている、男より断然スピードもあり、屋根同士の間なんて気にせず飛び越えて走る

男「ぐえっ！？何すんだ！！！」

女性は屋根の上にも関わらずにバク転を数度し、勢いに任せ男を飛び蹴りした

男は屋根から落ちる、落ちそうになった所を女性が受け止め着地し、大事にならずに済んだ

思わず街人から拍手が起こる、女性は荷物を片手に男を抱えて女性の所まで走り抜けて行った

恬「………今の見てた？」

賁「当たり前だ……………男を上回る身体能力と力強さ、極めて男を受け止め着地…余程の手練だ……」

恬「………………しかも女性だったよね？」

二人はどんな女性が男を捕まえたのか気になって気になって、ひったくりの現場へ急ぎ足で向かった

街人「ありがとうございます！！！ありがとうございます！！！」

街人が頭を下げてお礼をしている、女性は「たまたまいただけなんで、」と一言放ち去ろうとした

恬「まって！！！！」

恬「名前を教えてくれない？」

A「？Aと言います」