臆病者ヒーロー。【水溜りボンド】 (ページ32)

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＃28 ページ32

はて？

シルクは何を感じたのじゃろか。

コンビニ行きたいんだじぇ。

「ちょ、かーんーたー。コンビニ行こーよー。」

「えー。いかなーい。」

「俺もー。だりぃ」

「そーかー。じゃ、いーや。どーしよかなぁ。
ま、いっか。一人でいこ。

いってきまーっす。」

呑気にのほほーんと歩いてんのが間違いだった。

腕を掴まれ、後ろを向けば口を塞がれ、
いわゆる誘拐ってやつですな。

不幸中の幸い、眠ったりはしなかった。
薬薄めすぎワロタ。

おっと。お口のほどが悪うなってきてますな。

あー。シルクはこれの事言ってたんかなー。

困った。困った。とりま大人しくしてよ。
車乗り心地悪すぎw

♪～♩～

はぁあああぁあああ？！

タイミング悪すぎィ！

『んだよ。男か？シルクぅ？あいつか。あのナルシストチビ。』

おっとカッチーン来ちゃいました。

「なんだとテメェ？シルクがナルシストチビだと？」

『ああ。そうだよ。あの唇お化けが。』

「いっていい事と悪いことあんだろうがよ。あいつだって頑張ってんだよ。
どんなけ苦労して動画作ってると思ってんだ？あ？何時間もかけて編集して、
みんなに楽しんでもらえるように、笑ってもらえるようにって思って作ってんだぞ？
それをなんだ？自慢ばっかして自分をアゲてる様に見えんのか？お前の目腐ってんなあ。
そんなやつ見なきゃいいじゃねえか。不快に思うんだったらみんなよ。最初っから。
テメェの様な奴に見せるためにこっちは動画作ってんじゃねえんだよ。こっちが儲かるだけだぞ？」

『あーだこーだうるっせえな！黙ってろクソ女！』

「クソはどっちだ。」

『あームカつく女w世間様にこの男の事言おうかなー。』

「すまんがそいつの彼女ではない。別のやつだ。」

『おーそーか。なら派手に行こうか。車降りろ。』

「言われなくても降りる。そんで逃げる。」

『逃げれるとでも思ったか？アホらしっ』

「テメェがな。」

殴ってきた。
おっそw止まって見えるよ。
動きに無駄が多過ぎる。

これで私がぶっ飛ばしたいところだが捕まったら嫌なので手は出さねえ様にしておくか。

蹴りも甘いねえ。
ちゃんと回しきれてない。

『おらぁああ！！！』

油断してた。背後から叫び声が。あーれー。っとなるかと思いきや…

バシッ

私の脳天かち割られなくてよかった。

拳が手のひらに収まっている。

その手の持ち主は…

「女性に手ぇ出すとかありえねえ。だっさ。」

私の彼氏ではなく良き相談相手の筋肉バカでした。