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陸話 ページ7

−−どうしたものか。

あの後ヒナはご飯を持ってきてくれて、あまりの美味しさに思わず感動した。コンビニ弁当やパンしか食べてなかったから手作りがこんなに美味しいなんて思わなかった。部屋に付いていたお風呂も暖かくて、、じゃなくて。

脱線しかけた思考を頭を振って消し去る。どうやらここには洋服というものがないらしく、淡い水色の浴衣をくれた。サイズは少し大きいが苦しさがないので良しとしよう。


気づけばあっという間に夜だ。色々な事がありすぎた。身体にのしかかる倦怠感に抗わず敷いてある布団に倒れ込む。目を閉じるが寝れない。疲れているのに。

悩みの原因はこれだ。生きていた時は睡眠薬を飲んでいたがもちろん今手元にあるはずがない。心優しい彼女−−たった数時間で何がわかると言われれば返す言葉も無いが−−のことだ。明日疲れた顔を見せれば悲しむだろう。
だが寝れないものは寝れない。いつも枕元に合ったぬいぐるみが無いのも寝れない原因だろうか。


『……少し、近くなら、良いかな』


部屋から出るなと言われたものの、こうも部屋にいては気が参る。部屋から出て、空でも見れば落ち着くだろうと、多少の罪悪感を持ちながら扉を開く。
少しだけ冷たい風が頬を撫でた。生前とは違い空の星がとても綺麗に見えた。



「……てめぇ、誰だ」



星を見るのに夢中で人がいることに気づかなかった
声のする方を見ると真っ赤な髪に、特徴的な眉が目を引いた。あれは刺青だろうか。



「見たことねぇ霊圧だが……何番隊だ」

『わ…からない、です。今日…来たばっかりで』

「……ふん、そうかよ。仕事ねぇんだったらさっさと寝ろよ。明日に響くぞ」



一瞬訝しげな顔をした彼はそう言い残すとスタスタとどこかへ歩いていってしまった。
これ以上人に絡まれたくは無いのでそそくさと部屋へ戻り、布団へ潜る。寝はせずとも目を閉じるだけでも大分違うだろうと目を閉じた。




−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−
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−−



朽木隊長へ急ぎの書類を預けられたため、寝る寸前だっ身体を無理矢理引きずって歩くが、先程あった少年の顔がチラついて仕方ない。

ぼうっと空を眺める姿は瞬きの間に消えてしまいそうなほど儚かった。

この辺りに隊士の部屋はなかったはずだし、前に見たこの部屋は隊首室と変わらぬ作りをしていたと記憶している


−−また、会えるだろうか


自分らしからぬ思いに頭を振り気難しい我が隊長の部屋へ足を早めた

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nana民(プロフ) - 続きが気になりすぎる (2023年3月10日 20時) (レス) @page26 id: 52a3fcc53d (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - めっちゃ可愛いです!続きを恵んでくれませんか? (2022年3月31日 9時) (レス) id: 47ccef0445 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨乃色 | 作成日時:2020年5月11日 23時

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