『男主』大好きで大切な『BLEACH』 (ページ6)

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伍話ページ6

扉の開く小さな音に飛び起きる

「っわ、びっくりさせちゃったかな…大丈夫？」

心配そうな顔でこちらを見ているのは、さっき会った雛森さん。それと同時にやはり夢ではなかったと残念に思った。

『こっちこそ、すみません、大丈夫です』

「なら良かった。さっきも言ったけど、私は五番隊副隊長、雛森桃。これからよろしくね」

『御影、Aです。お願いします』

「さっそくなんだけど……」

友達になろう！と彼女は目を輝かせた。呆気に取られていると彼女はその勢いのまま話し始めた。

「山本総隊長に呼び出されて、それも教育係～なんて言われちゃったからほんとは怖かったんだけど、全然そう言うのじゃなくて、あなたの質問に答えて、此処に慣れるまで一緒にいてあげてって言われたの。」

「でもそれではい、終わりってなるのも何か悲しいし、せっかくの縁だし友達になれないかなって」

だめかな？と言われても、この状況で嫌だとは言えないし、かと言ってうん！もちろん！なんて言えない。何が正解なのかわからない。今更自分のコミュニケーション能力の低さを恨んだところでどうなる訳でも無いが、とりあえず左手を出す。顔が赤くなっているのがわかる。なんせ人生初の友達だ。

『と、とも、友達っ、だめじゃ、ない、です…』

お願いします、という声はあまりに小さくて聞こえたのかすらわからない。でも、握られた手から、その表情から、彼女は優しい人なんだと感じた。

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「とりあえず今後の日程としては、明日はお互いのことを知る日！明後日は各隊長の挨拶も兼ねて瀞霊廷を案内するね」

お互いのことを知る日とは、そのままの意味で、お互いを知って仲良くなろうと彼女が作ったものだ。あまり自分には楽しい話が無いが、大丈夫だろうか。

「とりあえず今日はこの辺で帰るね。」

『あ、はい、』

ジトっとした目で見つめられ、その目の奥にはなんで、という文字が浮かんでいる。

『あ、ちが、えっと、わかった』

敬語ではなくタメ口で話すというのも彼女が決めたルールだ。これも、初めて。家族でさえ敬語しか許されなかったのに。
この短時間で彼女をヒナ、彼女は僕を綾くんと呼ぶようになっていた。

今日は初めてと驚きばかり。
ご飯を取りに行ってくれた彼女に感謝しながら、これからどうしようかとぼうっと部屋の隅を眺めた