弐拾弐話 ページ23
『御影A、です。これからよろしくお願いします』
そう言うと返ってくる歓迎の言葉にほっと方を下ろす。席は男女で別れているらしく、手前に女性、奥に男性がいた。イヅルに呼ばれ席に着けば、右にイヅル、左には頬に69の文字が入った檜佐木副隊長、向かいの席には冬獅郎が座っていた。
この2人がいるだけで安心出来るのは何故だろう。
すぐに運ばれてきた飲み物を手に取り、仕事の終わって合流した乱菊さんが乾杯の音頭をとる
「みんなお酒持った〜?あ、Aはジュースね。え〜と、じゃあかっわいくてちっちゃい新人を歓迎して!かんぱ〜い!」
『なっ…!ち、ちっちゃくないもん!』
慌てて反論するも、笑い声にかき消される。ほら、乾杯、とイヅルにグラスを出されたのでコツンと合わせると隣の檜佐木副隊長も、よろしくな、とグラスを合わせた。
乾杯のあとすぐに運ばれてきた様々な料理を進められるままに食べればあまりの美味しさに頬が緩む。
斜め前からのじっと見つめる視線に気がついた。
阿散井副隊長だ。ここへ来て初日の夜にあった。あの時は名前なんて分からなかった。目線だけで殺されてしまいそうで急いで目をそらす。
比較的平和な席につき美味しいご飯を食べて、意外と楽しいかも、と思っているとそれをぶち壊しに来る人が1人
「なぁ、A。せっかく歓迎会開いてんねんから、イヅル達ばっかりやなくて僕とも仲良くしようや」
『………市丸隊長、それは、つまり』
「ギンでええって言ったやん。」
『っ、えと、ギン、そっちに行けってこと……?』
「うん。こっちおいで。ほら席も空いとるから、ね?」
ギンと呼んだ瞬間、ギンの近くにいた他の隊長さん達にすごい顔で見られたため本当は行きたくないが、その有無を言わせない笑顔に逆らえる訳もなく、グラスを持って移動する。
眼鏡をかけた人−藍染隊長だっただろうか−とギンに呼ばれ座ろうと先にグラスを置くと引っ張られる腕
『っわ、て、え……』
「A捕まえたぁ〜、相変わらずちっさいねぇ」
『ギッ、ギン!離し、離して、やだ』
「市丸、君はほんとに…」
あぐらをかいたギンの上に抱きしめるように乗せられ、必死に抵抗するとひょいっと、持ち上げ助けてくれた藍染隊長。こうも軽々持たれると少し情けなくもなるが。
「ええやないですかぁ、スキンシップの1つやし」
と少し不貞腐れるギンにふいっと顔を背けまた目の前の料理に箸を伸ばした
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nana民(プロフ) - 続きが気になりすぎる (2023年3月10日 20時) (レス) @page26 id: 52a3fcc53d (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - めっちゃ可愛いです!続きを恵んでくれませんか? (2022年3月31日 9時) (レス) id: 47ccef0445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨乃色 | 作成日時:2020年5月11日 23時