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弐拾話 ページ21

数日前にあった緊急の隊首会で見たあいつは、どこか諦めたような冷たい目をしていた。そんな目とは反対に苦しささえ感じる霊力。その差に興味が湧かないはずがなかった。

だからこそ雛森に、訓練の時一緒に見て欲しいと言われすぐに了承をした。


数日ぶりにみた御影は以前よりも表情が柔らかくなっていて、雛森との仲の良さは一目瞭然。



「Aくんの力がどれだけあるか分からないけど、訓練の時は隊長を1人付けることになって」


「今日は俺だ。10番隊長、日番谷冬獅郎。」


『御影Aです。…お願いします。』


雛森に続けて名乗ると、控えめに返される。改めて近くでみるとその体はより華奢で、自分よりも身長は高いもののどこか庇護欲を掻き立てられる雰囲気だ。

ばち、と音がしそうなくらい目が合うとその奥に良からぬ考え−主に身長に対して−が見えた気がしてキッと睨むとすぐに返ってくる謝罪。


なぜ御影が謝ったのかわからないといった顔をした雛森が斬魄刀を渡す。自分達しかいない訓練場。その隅でするのは、と思い訓練場の真ん中に立つよう指示し、自分と雛森は少し離れた場所へ移動する。



が、頭上にハテナを浮かべたまま動かない御影。
誰かの声が聞こえた、というがまさかそんなはずがない。始解など、一般隊士ですら何十年かけても習得してない奴が多いというのに。刀を握った初日に出来るはずがない。


一通り基本的な霊力のコントロールの仕方を教え、御影の様子を見守る。刀を抜いた後、霊力を抑え込んでいる指輪を外させる。



瞬間、目を見張るほどの霊圧に襲われる。



「………っ!!なに…っ!この霊圧……!!」


「っくそ、このデカさ、隊長クラスどころじゃねぇぞ…!」




まさかこんなに大きいとは。離れた訓練場を指定して正解だった。こんなの一般の隊士が受ければ救護詰所に人が殺到する。崩れ落ちた雛森を庇うように前に立つ。


しかしそれもほんの少しだけで、さっきの霊圧が嘘のように静まる。ほっと息をつき雛森を立ち上がらせ、御影に近づこうとするが、何かを唱えるかのように動いた唇。まるで、始解をするかのように、



「……!あいつ…まさか…!」




「………っ!!なに…っ!この霊圧……!!」


「っくそ、このデカさ、隊長クラスどころじゃねぇぞ…!」




『駆け抜けろ"雷鳴"』



嘘だと思った。
しかし、変色した刀。目の前の地面は縦に数メートル程割れ、大きな雷の落ちた様な音。見える全てが現実だと教えていた。

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nana民(プロフ) - 続きが気になりすぎる (2023年3月10日 20時) (レス) @page26 id: 52a3fcc53d (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - めっちゃ可愛いです!続きを恵んでくれませんか? (2022年3月31日 9時) (レス) id: 47ccef0445 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨乃色 | 作成日時:2020年5月11日 23時

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