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拾仇話 ページ20

僕の心の声が分かったみたいにキッと睨まれてしまい、すみません、と謝る。



きょとんとした顔のヒナに斬魄刀を渡され握った瞬間、耳元で囁く声。


《やっと……やっと見つけた……私の主様…》


咄嗟に振り向くが誰もいない。



「Aくん?どうしたの?」


『いや、何か声が聞こえた気がして。…たぶん気のせい』


「…声?まさか…や、でも」


「日番谷くん、さすがにないよ。初日で斬魄刀の名前を聞くなんて」


「……それもそうか、A、ぼけっとしてねぇでさっさと来い」



はーい、と返事をしながら日番谷隊長に指定された場所へ立つ。簡単に霊力をのコントロールの仕方を教えてくれた。指示に従い刀を抜き、力を抑えていた指輪を取る。



「………っ!!なに…っ!この霊圧……!!」


「っくそ、このデカさ、隊長クラスどころじゃねぇぞ…!」



視界の端で膝を着いたヒナを庇うように日番谷隊長が立っていた。自分がそうさせているのか、どうしよう、どうしたら。必死に日番谷隊長に言われた通り落ち着こうとするが、焦ってしまいそれどころでは無い。


《大丈夫、落ち着いて。深呼吸をするの》


先程の声がする。その声はすっと僕の中に入ってきた。深呼吸。平常心が少しだけ戻ってくる。


《そう、その調子。そしたら水面を思い浮かべて……》


日番谷隊長に言われたことと似たことを言われ従うと視界の端でヒナの表情が和らいだのが見えた。



《集中を乱さないで。思い浮かべたら、そこへ飛び込む…》



名も知らない声に怒られながら飛び込むイメージをする



《ふふっ、やれば出来るじゃない。さすが私の主様》


『君は、誰なの』


《今から言う言葉を真似して。あなたはもう、私の名前を知ってるはずよ》




知らない、と言いたかったが直ぐに頭に入ってきた言葉を忘れないように口にする。
彼女の言う通りだ、初めて会ったはずなのに、僕は名前を知ってる。何回も口にした言葉のように馴染んでいる。君の名前、それは



『駆け抜けろ"雷鳴"』


《これからよろしくね、主様》



ふっと声が消えたのと同時に目を開く。刀は鎬が黄色、刃の部分は黒く染っていた。



ねえ、刀の形変わっちゃった、と2人の方を見れば目を見開く日番谷隊長と、口を手で覆い、固まってこちらを見るヒナの姿



「うそ、だろ……」


「始解を、たった1日で……そんなこと、あるの……」



あれ、もしかして僕、何か間違ってたりする…?

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nana民(プロフ) - 続きが気になりすぎる (2023年3月10日 20時) (レス) @page26 id: 52a3fcc53d (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - めっちゃ可愛いです!続きを恵んでくれませんか? (2022年3月31日 9時) (レス) id: 47ccef0445 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨乃色 | 作成日時:2020年5月11日 23時

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