『男主』大好きで大切な『BLEACH』 (ページ11)

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拾話ページ11

部屋を出る前の上司の不気味なほどの笑顔に嫌な予感がし、急いで入れたお茶を持って執務室へ戻る。

「お茶入れてきて来ましたよ………ってぇえ御影くん！？大丈夫！？」

嫌な予感は当たり部屋の中には鼻歌でも歌い出しそうな上司と、仔猫のように震え、大きな瞳からポロポロと涙を流す少年。
急いでお茶を置きティッシュで涙を拭くと小さくごめんなさいと聞こえ、上司のしたことながら胸が痛くなった。

「市丸隊長！いったいなにが……」

「ん～？ほら、可愛い子ほどいじめたくなるって言うやん？」

「………、！はぁ、もう帰しますから！」

「まぁしゃあないね、バイバーイAくん」

ガキか！と言う言葉を無理矢理抑え、雛森くんに助けを求めようと急いで御影くんを連れて外へ出る。

「あ、もう終わった………の…」

「ほんっとにごめん！うちの隊長が……」

振り向いて唖然とした雛森くんに土下座する勢いで謝ると、雛森くんは訳が分からないという顔をしながらも大丈夫、大丈夫だよと声をかけながら御影くんの頭を撫でる。

「吉良くん、何があったの？」

「それが僕も分からなくて……お茶を入れて戻ってきたら…その、御影くんが泣いてて…」

雛森くんに会って安心したのか涙の止まった御影くんの目元は擦らなかったものの少しだけ赤くなっていた。頭を撫でられている御影くんと雛森くんを見ていると教育係、と言うより姉弟のようだ。

「あれ～、吉良に雛森じゃない。どしたの2人して……って2人じゃないのね」

「乱菊さん！」

「松本さん……その、実は」

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「ふぅん、じゃあその子が例の……厄介なやつに気に入られたもんだねぇ」

外じゃあれだからと松本副隊長？の私室へ移動し、事情を話すと同情にも似た視線を向けられた。泣かせられたのに、あれは気に入られたと言えるのだろうか。

「にしても、今日1日で各隊長に挨拶なんてめんどくさい事するわね～。もっと効率の良い方法………あ！歓迎会！歓迎会しましょ！そしたら大体の人は集まるだろうし、…………うん！そうしましょ！」

「松本さん、お酒飲みたいだけじゃないですか？」

「私もそう思う」

「や、やぁね～、違うわよぉ」

『目線…泳いでます』

「う、うるさいわね！そうと決まれば、私連絡してくるわ！」

「あっ！ちょ、乱菊さん！？」

図星だったのか逃げるように松本副隊長は部屋を出ていってしまった。