呆然 ページ4
…ただただ呆然とする。
「…え、よっわ…」
「うそ…あんな苦戦したのに…」
私が参戦してから数分で倒せたぞ。
…いや、呆然としてる場合じゃねえよ。
早く他の倒しに行かねえと。
「【視覚共有】…んぁ、二年の教室か」
「あ、じゃあ早く行かないと！」
そだな、と返して廊下を走る。
そうしてやっと着いた二年の教室に入る。
あの少女は抱えたまま。
「っは、はぁ、死にそ…っ、」
「はいはいさっさとあの敵倒そう！」
さらっと流すなや…。
そしてまた数分で倒す。
…何でこんなするっと倒せんだろう。
琴葉は苦戦したっつってたのに。
まあいいか、後だ後。
「はい次は…っと、真昼君！」
お、ここで怠惰組と合流か。
「強すぎて向き合えねー…」
「A強いから大丈夫！」
「あー、待って。一つ確かめたい」
どぞどぞ、と促されて化け物の前に立つ。
そして…
パンッ
適当な場所を平手打ちした。
それだけで存在が消滅した。
んー、これは…。
「…え、嘘だろ…」
「んー…？あー…？」
「…まあ…あともう一匹いるからその後で」
残りは一匹。
少女を小脇に抱えつつ廊下を走る。
…ついた場所は、いつぞやの空き教室。
琴葉が、暴力を振るわれていた、教室。
琴葉が躊躇せず開けた刹那。
吹っ飛ばされる。
「うっわあ、ここでラスボス…？」
「ははっ、テンション上がるしいんじゃね」
「テンションあがんねーよ！」
「めんどくせーし向き合えねー…」
あ、触手ある敵か。
…触手プレイで可愛い女の子を…いえ何でも。
「誰かの死と向き合って
そうして、誰もが世界について考える
【魔法発動】【拘束魔法】っ！」
おー、いけるかー？あ、即で破られた。
「…A、今なら、まだ、間に合う…」
不意に、少女が口を開いた。
「…スリーピーアッシュ…貴方も、だよ…」
「…オレも…？」
そしてクロにも。
何故なのかわからない。
「…今、すぐ、に…逃げて。
じゃなきゃ、後悔、する、よ…」
逃げる、後悔…。
「…なら、サッと倒してすぐ逃げればいいの！
ねっ、野放しにしておいたら被害広がる！」
琴葉の声で我に帰り、そーいうこった、と少女に返す。
「いいか、作戦はガンガンいこうぜだ！」
「了解、ご主人様っ！」
だが命大事にも忘れずに。
ガンガンいこうぜが８で命大事にが２だ。
まあ頑張るべ。
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年7月27日 14時
