変更 ページ11
A side
「それちょーだい」
箱を指差してそういうと、短い言葉と共に箱が放られる。
もともと黒かったその箱は、もう九割が白に染まっていた。
「…さて、この校舎の有り様は私のせいとは思いたくないけど私のせいなんだよな」
「え、Aあんまり壊してないよ？」
違う、そうじゃない、と言って箱を見つめる。
「…これは誰かが私に恨みを持ってやっていることだ。
まあ、原因はわかってる」
…さて、校舎どうやってなおそっかなー。
魔法だと疲れそうだし。
「校舎、なおして、あげよっか…？」
「お、本当ですか。お願いしてもらってもいいでしょうか神様」
「うん…でも、ひとつだけ、条件が、ある」
神様が直してくれるらしい。
願っても無い話だ。
だが、条件ってなんだ…？
「…貴方、の、プロフィールを、変える、の」
…プロフィール…？
「…いえ、設定、の方がいい、かな…？」
…ああ、だいたい読めた。
「つまり、私の性格やら人格やらを変える、ということですね？」
「うん…じゃあ、やる、よ」
早すぎる気もするけど早いほうがいいのか。
騒ぎが大きくならないうちに、早く。
ふっと意識が途切れた。
.
白い箱の中だった。
まるで、私が持っていたあの箱のように。
ブゥンッ、と音がして目の前に画面が映し出された。
「…じゃあ、説明、する、ね…。
これから、貴方の人格や、その他もろもろ、を変更する…。
その時に、貴方に、許可を取る、から、不満なところは、言って…」
あっ、拒否権とかあるのか。ないと思ってた。
それにわかりました、と答えると、画面に線が書かれ始める。
「でも、ひとつだけ、聞かせて。
貴方は、あやふや、で、ふわふわ、だよね…。
主張に、一貫性が、ない…」
「…ええ、そうですね」
ああ言ったかと思うと、こう言う。
まるで、主張に一貫性がなくて、言うことをコロコロ変えるサイコパスだ。
…メガネ外してから変わったと思うんだけどな。
簡単に変わんねーってか。
「…じゃあ、まず、容姿、から…」
…えっ、容姿から？やだよ、男になるとか。
「…メガネを、かけて、もらう…」
「えっ、」
「…意義、あり…？」
「あっ、いえ、違います、わかりました」
中学の時みたいに戻れと？
あの黒縁メガネをかけろと？嘘だろ。
性格変わるんだよやめてくれぇ…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年7月27日 14時
