辛辣 ページ47
いただきます、と手を合わせて食べ始める。
相も変わらず美味えな。
「…A」
「なんだよ、奈良」
「一緒に寝よう」
「は？死ね」
お前俺にだけ辛辣じゃない！？ねえ！？などと騒ぎながら軽く涙目になった奈良。
何思ってんの、君。バカなの？死ぬの？
「お前は普通に可愛い子と寝て死ね」
「だーかぁら！お前じゃないと俺やだ！」
「ふーん」
「Aモテるねー」
「二次元にしか好かれたくない」
「もう逆ハーのタグつけたらいんじゃない？」
ええ…オリキャラだけじゃん…。
ってか私は真昼だけいりゃいいんだけど…。
「ごちそうさまでした。アイス食べよっと」
「ごちそうさまでした！私もー！
苺買ってきてくれたー！？」
「買ってきたから好きに食えよ…。
アイスは一日一個な。食ったらアイス没収」
皿を下げて、アイスを取り出す。
ダッツは美味しい。
これテストに出ます。当たり前の範囲として。
スマホでyoutubeを起動して、動画を探す。
…あ、詩人さんの歌みようかな。
イヤホンをつけて早速再生する。
琴葉も隣から覗き込む。
「「…っ、無理だこれ…笑い死ぬ…！」」
久しぶりに聞いたけど流石詩人さん。
面白いです。
「…普通に真面目な実況聞くか」
「うん、そうしよう。あ、キヨさんの見よう」
再生。
…やべえ、忘れてた。
「キヨさんって真面目が真面目じゃない人だった…！」
「そうだな…忘れてた…」
腹筋死んじゃう。
やめよう、普通にパズドラやってよう。
「…相変わらず上手いなぁ…」
…よっし、クリア。
やっべ、アイス溶けかけてる。
先に食べてからにしよう。
「…さっき襲われかけてた人に見えない」
ぼそっとつぶやいた琴葉の声。
何故静かな時につぶやいた。狙ってたのか？
「「…え」」
「…言っても言わなくてもいいとは言ったがせめて私がいない時に言ってほしかった。
あいつらは“依頼”って言ってたから多分あいつが依頼したんだろ」
「えー、だれー？」
「簡単、池田だ。
彼奴らに私を襲わせて、傷付いた私を池田が慰める。
そして気持ちが傾いた私は真昼と別れて池田と付き合いハッピーエンド…ってな感じじゃね？
いやいや、メリーバッドエンドだろ」
メリーバッドエンド、通称メリバ。
物語で読むのには好きだけど自分で演じるのは嫌いだ。
ありえないかと思ったがありえたな。
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年5月13日 17時
