真昼誕生日番外編！ ページ46
A side
はい、ついに来ましたね、真昼の誕生日。
真昼がほしいものわからないから取り敢えずフライパンにしたけどいいよね、多分。
前の世界だったら推しの誕生日なので滅茶滅茶暴れまくるでしょうけど今は違う。
真昼、今日自分の誕生日なのわかってないな。
忘れてんのか？まあいいか。
「真昼ー」
名前を呼ぶと、どうしたんだ、と首をかしげながら聞かれる。
…表には出さないけどくっそ可愛いね。
「…今日はなんの日でしょう」
「え、うーん…七夕か…？」
「あ、そうか、七夕か。
北海道だと八月だから七月が七夕っていう感覚なかった」
ああ、そういやそうだな…って、いやいや。
違う違う。そうじゃない。
「違う、そうじゃなくて。
もっと違うのあんだろ」
「え？なんかの記念日とかでもないし…」
「え、待て。記念日？
そういうの気にするの？三ヶ月記念とか？」
「え？しないのか？」
「…ごめん、本当にごめん。全くしない…」
マジでそういうの忘れるタイプだからしないんだよ…。
ごめん、マジでごめんな。これから気にする。
「んー…？ごめん、わかんない」
マジか…。
じゃあもう言うか。
「…今日は真昼の誕生日だよ。
誕生日おめでとう、真昼。プレゼントどーぞ」
そう言うと、少し驚いて、ああ…と言葉をこぼした。
「…今日、俺の誕生日か…」
「マジで忘れてたか。
あ、何欲しいかわかんなかったからフライパンだけどいいか？
ケーキも買ってきたから、一緒に食べよう」
「あ、ありがとう！」
ちょうど欲しかったんだよ、と言いながら嬉しそうに受け取った。
素直に言おう。くっそ可愛い。写真撮りたい。
マジ可愛い。言ったら怒ると思うけど可愛い。
「…真昼ー」
もう一度名前を呼ぶ。
最初のように首をかしげながらなんだ、と聞く。
そんな真昼に自身の唇を優しく当てた。
真昼の唇に。
短いリップ音がして、すぐに離れる。
少し放心状態の真昼に笑いかけて。
「…も一つ、プレゼント」
こう言った。
フォーク取ってくるね、と言いながらソファーから立ってキッチンに向かった。
「…っ、びっくりした…」
真昼がそう呟いたのを聞いて、真昼の様子を盗み見ると。
手で隠しきれていない赤い顔をした真昼が見えた。
…かーわい。
そう呟いて、ほおを緩める。
ケーキがいつもより美味しく、甘く感じた。
happy birthday , 真昼!
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年5月13日 17時
