君と、違う世界を見た。【サーヴァンプ】 (ページ45)

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気楽に考えるな少女よ。ページ45

A side

コンビニに行く途中、路地裏に強制的に連れてかれたかと思うと、壁に押し付けられた。

公園のブランコで少し遊んでたから目つけられたのか、とか思っていると服を脱がされかけた。

いや待て待て待てやばい！

「～～ッ！～！」

声を出そうと試みるも無理っぽい。

すると、眩しすぎるほどの光が当てられた。

「っ、A！」

私の名前を呼びながら私の口を塞いでいた男を突き飛ばした。

「さんきゅ、っと！クロもいたのか…。

ああもう、動きづれえな、くっそ！」

「おい、人来たぞ！どうすんだ、依頼は！」

「諦める以外ねえだろ、警察に捕まったら面倒だ！」

依頼…？

…おいおいおい、マジか。

ありえねえな、とか思ってた仮説だったのに当てはまったか…。

男達は何かを言い捨てると路地裏の奥へ消えた。

「…はあ…パーカーだけで済んで良かった…」

「うわ、ボロボロじゃん…」

「刃物持ち出してきてパーカー切り裂いて…。

あの様子だとTシャツも斬り刻む予定だったんだろうな」

「…真昼には…言うのか…？」

「あー…まあ、どっちでもいいよ…」

んじゃ、コンビニ行ってアイス買ってこよう。

クロ、一つだけラメ王買ってやる、と言うとにゃあ、とだけ返した。

いや、どっちだよ。

「ただいまー」

「おっかえりぃ！カレーできたってよ！」

「おー、手洗ってくるからアイス入れといて」

「美味そう！新作！？」

期間限定のやつだ、と返して手を洗った。

洗い終わってキッチンに行くと、空中を見つめてぼうっとしていた。

「…運んでいいのか？」

聞くと、はっとして、いいよ、と言った。

「本当だ、めっちゃ美味そう。

あ、なんか奈良と話してたのか？」

目線を少し彷徨わせて、最終的には私から目を逸らして答えた。

特に何も、と。

…なんもないわけがあるか。

「…別に、大丈夫だって。

真昼が気に止むことじゃねえ。迷惑でもない」

何を言われたかは、大体わかってる。

真昼が私と付き合っていることで、真昼が好きだった女子から色々されるだろう。

私のためなら、別れたらどうだ、的な。

「ってか別れるのは私が嫌だからな。

真昼のこと好きだし。もっと一緒にいたい。

…ん、並べ終わったよ。食べよう」

完璧。

今まででこれほど綺麗に並べられたことあるか？いや、ねえな。

真昼はただ、ありがとう、と言った。