まーさー(略) ページ44
琴葉 side
結局、怠惰組と奈良が泊まることになった。
今は真昼君が夕飯作ってくれてる。
すると、Aが真昼君の後ろに立って、抱きしめた。
「え、ど、どうしたんだ？」
「…や、なんでもない。
強いて言うなら甘えたくなった」
「そ、そっか…でも、危ないから…」
離れろというわけですね。
「…やだ、まだもうしばらく離れない。
あ、今日の夕飯なに？」
「カレーだけど…って、本当に危ないって」
Aそれになにも答えず、ただ真昼君の首あたりに頭を押し付けた。
…Aのデレ期だ…！
私でも見たことないのに…！
「……構ってくれねーの？」
いや、待ってだれ。
誰この人。こいつだれ。
「あっ、後でなら！」
お腹減ってきた…。もうそろ離してあげよう。
「Aー！梅干し食べるー？」
「…………」
お、迷ってる迷ってる。
［今日の月の様子コーナー！
今日は…満月ですね〜！まん丸です！］
へえ、今日は満月なんだ。
…いや、なにしてんだ。ドラマ見よう。
「…後で、にする」
あ、やっと離した。
［ねえ！答えてよ！誰あの人！］
［友達だって…］
［貴方は友達とするの！？］
「…なあ、これくっそつまんない」
「奇遇だね、私も同じこと考えた」
普通にあるシチュエーションじゃん。
「いや、普通にあったらダメだろ」
「それもそうだね」
いつの間にか口に出してたみたいだなぁ。
気をつけよう。
「…そういえば、アイスなかったな。
買ってくる。何味がいい？」
Aが各々の希望の味を復唱して、コンビニに向かった。
…三十分が経った。
Aがまだ帰ってこない。
さすがに遅いよね…？
電話も出ないし…。
「…心配だから私行ってくる！」
「いや、ミイラ取りがミイラになるぞ。
誰かもう一人…」
「じゃあオレも行く…」
「任せた！俺は城田君と話があるから！」
クロも行ってくれるそうだから、安心だ。
スニーカーを履いて、暗い夜道を歩いた。
コンビニへの道を歩いていると、声が聞こえた。
路地裏からだ。
「〜〜ッ！〜！」
声を抑えられているようなかんじだった。
スマホの光を当ててみると、服がはだけているAが壁に押し付けられていた。
口には手が当てられていた。
魔法発動は血を飲まなければ激痛に襲われる。
だからAは抵抗できないんだ。
即座に答えにたどり着いた私は行動に移した。
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年5月13日 17時
