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それから少し時間が経って。
「…はあ…っ、やっと終わったー！」
「おー、お疲れ。これで皆終わったな」
「あと一週間くらい残ってる夏休みどうする？
皆で遊びに行く？」
「いや、家でのんびりしてたい。外暑い」
「オレも…」
「もう少し運動しないと太るよ？」
「お前みたいに大食いじゃねえから大丈夫」
そしてお前よりは軽い。
コレでも毎日補強運動やってんだから。
腹筋２０回と腕立て伏せ２０回。
以外と辛いし疲れる。
「…転校生、どんな感じなのかね」
「えー？前言ったでしょ」
「「あ、私会ったことあるよ！」」
キリナと姫名がそう言った。ハモったね。
「本ッ当にカッコよくてね！
少しチャラい感じがあるんだけど、優しくて、文武両道！そして家事できる系男子！」
「ねー！本当にカッコ良かった！」
へえ。
特に興味ないな、やっぱ。
「Aも会ってみたら惚れるよ！絶対！」
「絶対なんてないから」
「養われたいって言ってたでしょ！
養ってくれるよ！あの人なら！」
「だから」
予想以上に低く、大きい声が出た。
「興味ねえ、って言ってんだろ。話聞けよ」
二人は、少し驚いて、怯えている感じだった。
そんな二人に、ごめん、と謝る。
「…なんか、嫌な予感するんだよなあ…」
琴葉が、ぼそりと呟いた。
何かが、いつもと違う気がした。
静かな部屋の中に、その声は響くのに十分で。
「…悪い予感って？」
「んー…うまく言えないけど、誰かが嵌められたり、いじめられたりしそう」
「ふーん。ま、予感だからそんな気にすんな」
「……だね！そうするよ！」
またいつもの調子に戻った。
…確かに、私も何か嫌な感じはする。
だが、そんな事いちいち気にしてたら心が持たない。
突然、部屋に声が響いた。
“ゼウスザード・ユノ様と”
“ゼウスザード・リノ様が”
“お会いしたいそうです”
“許可、致しますか?”
Yes or No?
機械音。
琴葉を生き返らせるときに聞いたあの声だ。
...主、答えは
「…あ、ごめん。Yes。許可する」
思わず黙ってしまい、魔法に返事を催促された。
…あの二人がわざわざこんな手順を踏んで来るとは…。
今朝のようになんかしてくればいいのに。
…あれ、でもなんで出来たんだろう。
間接的にしてくるのも禁止にしたはずだが…。
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年5月13日 17時
