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アイデンティティ ページ39

NO side



「…まあ、作られた記憶で笑うのも嫌だろ?

俺だって主のためにやってんだ、これくらいやらせてもらうさ」



通話を切り、そう言った。

予鈴まではあと十分ある。



「あ、主?作られた記憶ってなんだよ!」


「言ってなかった?ごめんなー。

俺は主の体に住まわせてもらってる“商人”さ。


説明すると、こうだ。

主はここに来た時にあることをした。

それが、“高野Aという人間はいじめられている”という記憶をこのクラスの人間に植え付けた。

主は別に気まぐれやーいうてたけど、ちゃうな。

主って頭ええなあ。

死にたい、と思っておきたいからいじめられている設定をわざわざ自分で作る。

こんな死にたがり、俺は見たことないわ」



おとなしい、いじめられても仕方ない奴。

そう思わせて、いじめられる。

理不尽な現状に、彼女はいつまでもこう思う。

死にたい。

ただ、それが彼女のアイデンティティだ。

自分が自分であるためにそう暗示させた。



「…嘘だ、私がやめさせた。

友達がいて、もう、死にたいなんて、言って」


「ない、なんて思ってる?残念。

主は自分を見失わないためにこうしたんだ。

それを止める権利が君にはある?雁夜琴葉」



誰も止める権利なんてない。

“商人”は暗にそう言った。



「…もう鈴が鳴るで?

座ったほうがいいんちゃう?」



“商人”は喋るだけ喋って、体から出た。

高野はぼーっとする頭を左右に振り、椅子に座った。



キーンコーンカーン…



ガタガタと椅子に座り、担任が来るのを待つ。

ピコン、と高野のスマホに通知が来た。



琴葉後でモック集合
Aりょ、了解
琴葉そして奢れ
A…ん?
琴葉後に事情説明
Aだが断るッ!



返信に反応する暇もないので音を消し、そっとカバンにスマホをしまった高野。


その後は順調にテストが進み、一日目が終わった。

カバンを持ち、帰ろうとする高野を数人が止めた。

特に面識もない女子達。



「………(え?え?え?え?あ、これ死ぬ)」



無言で無表情だが内心めちゃめちゃ焦っていた。



「(あっあっあ、これ…。

全員真昼好きな女子じゃねえか!死んだ…)」



空き教室に連れてかれ、床に乱暴に投げられる。

どうやって逃げようか考え始めた頃に女子達の一人が口を開いた。

奇跡→←ハイド誕生日番外編!


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作者名:リリムゥ | 作成日時:2018年5月13日 17時

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