君と、違う世界を見た。【サーヴァンプ】 (ページ30)

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別に、ページ30

次第に、雨が降り出した。

そういや、今日は雨の予報だったっけか。

駅前にいた沢山の人達は、蜘蛛の子を散らすように駅に入ったり軒下に入る。

あーあ、傘忘れちったなぁ…。

まあいいか。

口角を上げて、雨音に混じって大声で歌う。

なんか、あるだろ？

雨ってテンションおかしくする天才だよな。

オレンジ

このふざけた素晴らしき世界は、僕の為にある

取り柄のないクズだって生きてていいだろが

命に嫌われている。

シャルル

雨とペトラ

アダルトチルドレン

愛伝ティティ

他にも色々、歌う。

全部とかじゃなくて、一部。

自分がよけりゃそれで良いさ。

今、ここには誰もいないんだから。

誰に縛られることなく、歌は自由だ。

雨か涙かわかんない雫が頬を伝ったって、

服がびちゃびちゃになって肌にはりつこうが、

靴がびしょ濡れになって重くなろうが。

今は知らん。

明日のことまで考えられっかよ。

今でいっぱいいっぱいなんだから。

苦しくなったら、歌えばいい。

死にたくなっても、歌えばいい。

急に歌ったって、何もおかしくない。

素直になれなくったって、寂しくたってさ。

いつかきっと誰かが抱きしめてくれる。

そう信じて、待っていたらいい。

ピロンッ♪

画面を見ると、メッセージが来ていた。

琴葉A今どこや!出てこい!
Aやだね
琴葉真昼君心配してたよ!?
Aそんなら私の所に直接連絡してこいよ
琴葉いいから今どこ!
A言うわけねーだろ!
Aばーかばーか!
琴葉ちょ!?

電源を切った。

…どうしよう。

…幽凪の中学校行こう。

まだ授業中かもな。

…どうしてこうなった。

待てよ、まず整理するとこうか？

中学校行ったら即保健室に案内されて服貸し出された。

そして、今日が奇跡的に授業参観と個人懇談で幽凪の教室にいるんだよな、今。

いや、わかんねえよ。

今、部活用の洗濯機で制服洗ってもらってる。

…幽凪優秀すぎじゃね？

「うーん…これは難しいから鈴野さん」

「…あ、はい。

えっと…x＝５６６、y＝７２、z＝９０です」

「正解です！

難しかったのによく出来ましたね！」

…先生気づけよ。

受験でピリピリしてて成績争いん時に幽凪一人に当てんなよ。

…だからいじめられてんのか。