剣心組の奮迅 ページ37
油を補充しようとしているひょっとこと剣心の間に一人の男が割って入る、最初にやり合っていた左之助が仕切り直しさせてくれと言ってきたのだ。
その表情を見て剣心は直ぐに下がり後を左之助へと任せ短いやり取りを見て薫は左之助を心配して声を上げる。
「補充完了。間抜けな男よ、焼却されにノコノコ出しゃばるなんてな」
『間抜けはどっちかな』
「タネの割れた手品が何度も通用すると思ってやがる」
左之助の手品という言葉に堪忍袋の緒が切れたひょっとこは今までよりも大きな特大の火炎吐息を繰り出してくるが左之助はそれを避けることなく火の中へと飛び込んでひょっとこの口内へと拳を突っ込み火炎の元となる油袋を引っ張り出し勝機がないことを伝える。
「勝機かわないのは貴様のほうだ!その火傷した両腕ではさっきのうな拳打は打て──ま"い!?」
「ケンカは蹴りだって有りなんだぜ、もっとも短足なおまえにゃ思いつきもしねぇだろうがな」
喉元に左之助の蹴りが入り相手が倒れると剣心に向けて親指を立てて笑ってみせる、彼は満身創痍の左之助にやれやれと言った様子で溜息をついている。
『ふふ、やっぱりあの二人は強いね』
「強いなんてもんじゃないわ…あの二人いったい何者?」
恵のそのつぶやきに対して翡翠と薫は視線を交えると口を揃えて頼りになる自慢の仲間だと笑い薫は二人に駆け寄っていく。
そんな様子を木の上から見ていた人物が一人、前回任務に失敗した癋見が震えながらも恵を見て錨を構えそれにいち早く気付いたのは彼女の後ろにいた翡翠、咄嗟に走り出していた。
「気をつけろ!まだ何者かが潜んでいる!」
剣心がそう叫ぶと同時に錨が恵目掛けて飛んでくるも間に割って入った翡翠の手の甲に刺さりその場に滑り込むようにして倒れたのを見て薫と剣心が駆け寄り、剣心が錨の刺さっていない方の手首を掴み立ち上がらせる。
『大丈夫、今回は高荷さんを守るのが私の役目だから…』
そう言い恵の元に行こうと一歩前にも再び倒れてしまう、先程とは打って変わって白目をむきぴくぴくと痙攣を引き起こしている。左之助が直ぐに毒だと気づき焦りの表情を見せている間に剣心はそこから姿を消し癋見に斬りかるもそこには丸太が転がって般若のお面をつけた人物がひょっとこの傍らに立っていた。
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (5月19日 23時) (レス) @page34 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みはる | 作成日時:2021年2月28日 23時