紳士な女 (ページ36)

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三人の男襲撃と剣心組【恵視点】ページ36

剣さんに観柳達一派の構造を伝えた後、現在進行形で繰り広げらている賑やかな寸劇のようなやりとりにふと家族の事を思い出したその時だった、門が塀ごと破壊されてしまった。

｢来た…！｣

『門の方だ！高荷さんの傍には私が！』

｢頼んだでござるよ！｣

そうやり取りをした翡翠さんと剣さん、剣さん達は門の方へと走って行ってしまう。私はというと、後ろにいる翡翠さんを見やりどう逃げ出そうかと思案しながら門の方に向かいつつも建物の影に隠れて戦闘の様子を伺う事にした。

『大丈夫、剣心も左之助も負けない。私が保証しますよ』

そう言われてもやはり安心できない、遠くに逃げた方が得策のは確かなはず…。そう思い視線を戦闘は戻したその時、剣さんがひょっとこに相手は自分だと告げていた。
今なら翡翠さんも戦闘を見る事に夢中、逃げるなら今しかない。そう思っていたのに…。

『何処に行くつもりです？』

気づかれた、視線は戦闘の方に集中しているのに…どうして。

｢剣心はあなたのために闘ってるのよ、あなたはそれをちゃんと見てなくちゃいけない筈よ！｣

｢…闘っても剣客の勝てる相手じゃないわ、相手は御庭番衆の中位隠密…下位隠密の癋見とは訳が違うわ｣

『まあ、普通の剣客なら勝てないかもしれないけど…剣心だからね』

そう翡翠さんが言い終わったと同時にひょっとこの火が消えていくのが見え、私は呆然と立ち尽くしてその様子を見ているしかできなかった。
視線で翡翠さんに問いかけるもただ勝つと確信しているような笑みを浮かべている。