紳士な女 (ページ34)

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御庭番衆襲撃間近ページ34

その男の話によると先程やられたという左之助の仲間は無事で命に別状はないが別件でついてきて欲しい所があると連れられてきたのは橋の見える河川敷、そこに転がっていたのは襲撃してきた私兵団の奴らだった。

｢酷いでござるな…｣

｢役にたたない者は容赦なく切り捨てる、観柳観柳(かんりゅう)のいつものやり方よ…！｣

『……』

｢翡翠｣

『ああ』

｢なんでぇ？ふたりして？｣

『少し視線を感じてな』

そんな風に話をしている最中橋の方では話題に出ている観柳と先程恵を追ってきた癋見(べしみ)と長身の男が警官隊の様子を見ていた。
長身の男の視線は剣心と翡翠へと注がれている。

｢癋見(べしみ)、お前の鼻を潰した剣客確か赤毛で左頬に十字傷がある男と藍色の髪の優男だといったな？｣

｢え、あ、はい｣

癋見(べしみ)は挙動不審になりつつも返事をして男の向けている方へと視線を向けるとそこには見覚えのある赤髪と恵の姿を見つけ大声で叫ぶ。

｢あーヤロウ！恵も居やがる！｣

今度こそはと言いながら鏢(びょう)を構えるも最初に観柳(かんりゅう)が人混みでの騒ぎは困ると言えば剣心を観察していた長身の男が止せと静止をかければ青筋を浮かべ悔しそうにしつつも大人しく引き下がる、その後も長身の男は淡々とした様子で指示を出していく。横で怪しく笑う観柳(かんりゅう)に気付いた恵目を大きく見開いている。

「観柳(かんりゅう)！！！」

「本当だ、間違いねえ。見ろ剣心、向かって左のヤツが武田観柳(たけだかんりゅう)だ」

「それより右の方あれは何者でござるか」

『…あれは』

「検琦…！」

元の親玉より隣の男の方が只者でないと感じた剣心は何者かと話しているとその方を見た恵はさらに顔色が変わり検琦と呼んで最近雇い出した元隠密部隊(もとおんみつぶたい)の御庭番衆(おにわばんしゅう)を束ねる男だと言う。

『剣心…』

「ああ。何にせよ相手は胡散臭い(うさんくさい)実業家に危険な御庭番衆(おにわばんしゅう)…」

『ここで放りだす訳にはいかないな』

とんでもない敵が居ることが分かり四人の間に緊張した雰囲気が流れるが、その場に長居する理由もないためままその場を立ち去り神谷道場へと帰路についた。