自殺読本 二十三・五頁目（ちょっとした舞台裏的小話） ページ28
○織田作と鶴見の仕事がnothingになった話
＿＿＿ここは、ポートマフィア最上階の“首領執務室”
「太宰くん、急にどうしたんだい？下級構成員の仕事を全て君の部下に割り当てるなんて」
「しかも、たった数人分じゃないか」
額に手を当て顔を悩ませる中年男性。その目の下には、うっすらとクマが見える
「先ほども言った通り、部下への教育です。基礎的な事務能力の底上げをしようかと」
書類にばかり目を向け、相手には一切目をくれない青年
「うーん、君の部下も十分やってると思うけどねぇ…」
「真逆。マフィアを暴力だけの組織だと未だ思い込んでいる彼らが？」
皮肉のように笑う青年は、手に持っていた書類を机の上に放り投げた
「それに芥川くんの教育にもちょうどいい。
あのポンコツ、無駄に怪我ばかりを増やしてくるんだから、この際に教養を叩き込みます」
「それを言うのなら、この部署だけでなく、他の部署もやらせれば良いじゃないか」
「下級構成員程度を調子に乗らせてどうするんです？
ていうか、この部署だけ仕事が集中していたのは知っているでしょう？」
「もちろん知っているよ」
「なら…」
あぁ、そういえばと男性は思い出したように口を開く
「織田くんと随分仲が良いと聞くよ。この前は、鶴見くんと一緒にいたんだっけ？」
その目の奥は、真っ黒く濁っていた
「贔屓は良くないなぁ」
青年は今にも舌打ちしそうに顔を顰めている。一触即発、まさにその言葉がお似合いだ
どちらかが妥協するまでは、決して終われない
「…善処します」
「まぁ太宰くんはいつも頑張っているからね。今回は多めに見るよ」
「どうも」
そう良い、青年は扉を開いて出ていった
………
「太宰さん！なぜ
食いかかるように叫ぶ少年
「うるさいなぁ。そんな怪我で動いて、任務に失敗でもしたらどうするの？」
呆れた顔をする青年の瞳には、少年など一切映り込んではいなかった
「僕は失敗など…！」
「本当に聞き分けの悪い犬だね。ほら、口ばっか動かしてないで手動かしてよ」
悔しそうな顔をする少年をよそに、青年はその場をさっていくのだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 608人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
文スト外伝は絶対見てほしい - 一気読みさせてもらいました!最高です。すごく面白いです。続きが投稿されるのを待っています！(因にこの作品は恋愛物で、オチは太宰幹部ということで良いですか？) (8月27日 18時) (
レス) id: 7afe0da078 (このIDを非表示/違反報告)
あいいろ(プロフ) - 天雨さん» 直ってよかった…！！本当にこの作品大好きなので…これからも頑張ってください！！ (5月6日 21時) (レス) @page34 id: 9d9e38c616 (このIDを非表示/違反報告)
天雨(プロフ) - あいいろさん» ご迷惑をおかけしました！！実は事前に設定しておいたパスワードでなんとか入ったんですよね…いやー、死んだかと思った (2023年5月6日 11時) (レス) id: 45589be64f (このIDを非表示/違反報告)
あいいろ(プロフ) - すいません。小説作ったことがないのですが…そ、そちらのチャプターはどのように書いたのですか？！あと、この小説を検索して編集することとかもできないのでしょうか… (2023年5月6日 8時) (レス) @page33 id: 9d9e38c616 (このIDを非表示/違反報告)
天雨(プロフ) - 悠真さん» 本当にどうしましょう！！もらったメッセージとかも全部見れなくて…意見参考にさせてもらいますね。ありがとうございます！ (2023年5月4日 20時) (レス) id: 45589be64f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：天雨 x他1人 | 作成日時：2022年10月16日 7時
