雅ヶ丘の生徒会長さんが嫌いすぎて転校しました (ページ33)

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30話幸せが続けばよかったのにページ33

『…ええ、顔？？』

思考が働かない

いつもなら

“ええ顔ってどんな顔？！！てか、余裕そうなのちょっとムカつく…”

とか、そういうふうにむすっとして返すんだろうけど…

今は

『…虎、今の気持ちよかった////』

ぎゅっと服を掴み、瞳を見つめる

虎「……」

瞳が大きく開かれる、不思議なものを見たかのように

『虎…？？』

虎「なんでもない、帰る」

ぐいっと手を引く虎

『…ぇ、なになに？どーしたの…？？』

引っ張られる私

この時、少し見えた横顔が赤いのは夕日のせいだったのでしょうか？

･

･

･

『……』

五十嵐家に着いた頃、私は苦悩していた

“…虎、今の気持ちよかった////”

↑↑↑↑↑これに、、これにぃぃぃぃ！！！！！

『恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい…っ！！！！！/////』

ぼすっぼすっとベットに頭を打ち付ける

えぇ…人って、キスであんなになんの？？？！！

無理無理無理無理

恥ずかしすぎて、死ねよ私

と、ここ1時間はこんな感じである

でも、決意したことは…言わないと、、だよな

そう、私雫威 Aは、、その…

虎に、正式に婚約しないか…とつ、つつ、伝えま、す

虎が今報告に行ってるので、帰ってきたら伝えようと思ってます

…でも、30分で戻るって言ってたのに遅いなぁ

そんなことを思っていると、ガチャっと扉が開いた

『ぁ、おかえり虎！！お疲れ様』

虎「…あぁ」

部屋に入ってきた虎を出迎えるが、見たところ少し気分が優れないのかもしれない

『…ぁ、あの虎その「解消や」

え？？』

虎「予定されとった婚約は解消、この生活も今日で終わりや」

黙々と告げる、その顔には何の感情も見えなかった

『…ど、どう、、して？？』

虎「どうして、って…｣

虎が私に近づく、そして顔を覗き込むようにして口を開いた

虎｢雫威財閥は先程崩壊した、俺は利益にならんお前なんて要らん」

『……え…』

頭が追いつかなかった

崩壊した…？

『…結局、モノ扱いだったんだ

そっかぁ……好きだよ、虎』

初めて、今の虎に好きだと正直に伝えた気がする