雅ヶ丘の生徒会長さんが嫌いすぎて転校しました (ページ28)

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25話かつて見た笑顔をページ28

…そう、彼は私と会った時に“はじめまして”と言った

だから…

『…あの男の子じゃない』

そう呟く自分の声で目を覚ました

ふかふかなベット上

隣には五十嵐会長か寝ている

『…寝てたら、可愛い、、ん？』

そっとぉっと手を伸ばした瞬間

掴まれた

虎「…ほーう？誰が寝とったら可愛ええって？
もう一度言ってみろや、A」

『ぁ、いえ！！誰も言ってないです！！
五十嵐会長の寝顔が可愛いなん…むぐっ』

取り繕うとして、滑った口を手で押える

虎「…そうか、そこまで言うならこちらにも考えがあるで」

『…え？』

そういい、近づいてくる彼に自分も後ずさる

『…ま、まさか』

虎「…まぁせいぜい覚悟しとけや」

そう言い、にやりと笑みを浮かべる

『い、いやぁぁぁぁ！！！！！！！』

･

･

･

『…ご、ご勘弁を』

乱れる息を整えながら、涙目で五十嵐会長を見つめる

虎「……脇腹突くだけでそんなになるとは…あはははっ！！笑いが止まらへんわ…っ！！」

『…っ酷いですよ！！五十嵐会長…！！！』

虎「……はぁ…とりあえずこのへんにしといてやるわ…
着替えたら降りてこいや、食事を終わらせたら車で送る」

『…はいはーい』

そう言われ、五十嵐会長の背中を見送り着替えにとりかかった

そして、着替えをすませカーテンを開けた瞬間私はあるものに目が止まり、手が止まる

窓から見える

綺麗な草木で茂る庭の中心に、小さな空間があるのを見つけたから

『…っ』

ちらっと何かが脳内をかすめる

“…私、強くなります

虎様は、私より…周りの人より当たりが、強いはずなのに、、しっかりしてる、から

だから、虎様が嫌になった時支えられるようになり、ます！！”

『……この、言葉、、は…私……ぁ…』

蘇る

この言葉を発した時の…五十嵐会長………いいえ…

虎の嬉しそうな笑みが

『……はは…だから、私…強く生きたかったのかなぁ…』

塞き止められていた水が、勢い込むように流れ込むように記憶が蘇る

嬉しそうな笑みと…お見舞いの時の悲しい顔が

『…ごめん、虎』