雅ヶ丘の生徒会長さんが嫌いすぎて転校しました (ページ27)

今日:7 hit、昨日:10 hit、合計:80,564 hit

24話記憶は戻りつつあったページ27

夢主 side

高校1年の春

雅々丘に入学してばかりの頃

この汚らわしいこの世界で、凛と強く存在する彼に私は憧れの気持ちを持ち始めていた

…私は、幼い頃の記憶がない

私が言葉を発した時

父は私を抱きしめて、泣いていた

でも私は、どうして泣いているか分からなかった

気がつけば、ベットで景色を眺めていて

今まで何をしていたか、何も覚えていない

でも、頭に響いてくる

“強く生きなければ”

そして

それから、お披露目パーティやお見合い

そして、バイオリン、ピアノ、茶道…たくさんのものを習い始めた

自分から望んだとは言え、苦しかった

父はもう少しゆっくりでもいいと言ったけれど

私はただ何かを探して必死だった

探しているものさえ分からずに

先生「雫威様、五十嵐様をお目にしたら生徒会についてお話があるとお伝えいただけますか？」

ふいに、先生に声をかけられた

『…えぇ、分かりました』

(…えーーー？い、五十嵐…？？

あー、同じクラスにいた気がするたぶんあの人だ)

そんなことを頭で思いながら私は、先生にこたえ五十嵐様と言う人を探した

…そして角を曲がれば

鮮やかな金色の髪

『あ、あの五十嵐様』

背を向けていた彼が、ばっと振り向く

少し驚いた顔をして

でも、すぐににこやかな笑みを浮かべた

虎「…はじめまして、雫威さんでしたね？」

覚えてるんだ…！！

『…えっ、名前覚えてくださってるんですね！初対面なのにっ！！凄い、尊敬しますっ』

話したことない生徒のことさえも覚えているなんて、普通に尊敬だ

虎「何がご要件でも？」

…あ、そうだった

『生徒会について担任の先生がお話をしたいと申しておりました！』

虎「そうですか、わざわざ呼びに来て頂いてありがとうございます

では私はこれで」

にこっと微笑まれ、背中が遠ざかろうとする

“やっと会えた”

…え？

虎「…えっと、、なにか？」

気づいたら引き止めていた

『……違ってたら、すみません…私達以前にお会いしませんでしたか…？』

目と目が合う

心臓が高鳴った

でも…

虎「私の記憶では初対面かと…」

それは、勘違いだった