狐さんは夜に鳴く【夜久衛輔】 (ページ11)

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9話藤堂さんのお姉ちゃんページ11

『お待たせ、夜久くん。』

「おう、大丈夫。ところで、この神社、狐住みついたりしてない？」

『狐…？あぁ、いるよ。すっごく可愛いんだけど、時々、それも夜しか現れないから、「幻の狐」だとか、「幸福を呼ぶ狐」とかなんとか呼ばれてるんだ。』

そう嬉しそうに話す藤堂さんは可愛かったが

『幸福を呼ぶ狐』

という言葉に引っかかった。

「なぁ、『幸福を呼ぶ狐』って…？」

『なんか、「夜、1人で藤山神社に居て、狐の声を聞いたら、次の日にいい事がある」っていう、都市伝説？みたいのがあるんだって。…夜久くん、なんでこの神社に狐が居るって、分かったの？』

そう淡々と告げる藤堂さんは

…少し、怖かった。

「いや、さっき声が聞こえてきたから。狐の。」

『さっきって、いつ？』

「藤堂さんがお姉さんの所に行った時。」

『じゃあ、夜久くん、明日いい事あるかもね。』

…それってどんな？

……藤堂さんから告白されたり？

とか考えている俺。

藤堂さんと体育祭のクラス旗の準備に取り掛かった。

『夜久くん、今日何時まで大丈夫？』

「8時くらいまでは平気。」

『じゃ、7時半くらいに切り上げよっか。』

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