5話 ページ5
マップは赤の教会。
墓地の近くにスポーンしたので、定型文を送り暗号機を解読する。
私は独りで暗号機を10秒以上解読するとそれ以降の暗号機解読速度が30%上昇する。
また、誰かと一緒に解読すると暗号解読速度が20%低下するので基本1人で黙々と解読することが多い。
仲間の状況が分かる能力があるので、それを使い仲間とは別の暗号機へと向かうのだ。
今はクラークさんがチェイスをしているようで、定期的に"ハンターが近くにいる！"という定型文が送られてくる。
私の2つ目の暗号機の解読が3割程終わったところで続々と解読が必要な暗号機が減り、残り2つとなった。
……ん？心音が徐々に近付いてきている……？
「Aさんごめん！！」
「ひぇっ」
クラークさんがこっちに走ってきた。
後ろにハンターを連れて。
驚いてスキルチェックのタイミングで暗号機から手を離してしまいバチッとさせてしまった。痛い。
ハンターはチェイスが弱い私にタゲチェンしたようでクラークさんと離れても心音の大きさは変わらなかった。
チェイスが弱いと言っても、板や窓枠の乗り越え速度にデバフが着いている訳ではないので多少の時間は稼げる。
ハンターはリッパーだった。呑気に鼻歌を歌いながら悠々と追いかけてくる。
教会内を2回程回った後、2回目の刃を食らう
はずだった。
それはクラークさんのフクロウによって防がれた。
「へァァ……ちょこまかと……」
リッパーが悔しそうな声を漏らし、霧の刃をかわせずに私はダウンした。
しかし、私は中治りを付けてきた。暗号機はダイアーさんが寸止めにしていてくれたようだ。
ダウン状態からすぐに起き上がり、教会から遠回りをしてゲートまでいくとクラークさんが待っていてくれた。
もうダイアーさんとベハムフィールさんはこちらとは逆のゲートから脱出している。
私達も無事脱出して結果は4逃げとなった。
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作者名：雨靄古鳥 | 作成日時：2024年3月4日 19時
