ふわほかエスケープ/桃、黄 ページ9
ダートで走る2人のウマ娘を気にかけながら、手元のクリップボードに書かれたメニューに目を落とす。小さな身体でも力強い走りで追い込むロボロに、持ち前のパワフルな脚と持久力を持つ逃げのシャオロン。2人とも見た目に反して真逆の生活スタイルをしている、というのを知るだけでもこの2人には愛着が湧いてしまう。
「2人ともー、走り込み終わったら休憩おいでー。」
「俺もう終わる！Aトレーナー、いまいくなーっ」
「待てやシャオロン俺を置いてくなや！！」
健気で可愛いなぁ、このまま行けば2人とも1着間違いなしだなぁ、なんて思いながらクリップボードをベンチに置いて飲み物を取りに立ち上がる。ふっ、とその一連の動作をした瞬間に、何か変なものが甦ってきた。なんとも言えない気味の悪いものが、心の内側からせりあがってくる。明らかにおかしいとわかるのに、身体が鉛のようになって動かない。あの子達が来るのに、飲み物が用意できてない──
「......Aトレーナー？どしたん、なんかあった...？」
「シャオロン早いて...って、Aトレーナーどうしたんや、？」
「ふ、2人とも...ごめん、ちょっと、なんかおかしくてっ」
2人の心配の声が耳に入ってくるのもかまわず、へなへなとそのまま腰が抜けてその場に座り込んでしまう。悲しくもなんともないのに涙が止まらず、自責の念で胸が満タンになってしまう。おかしい、と思ったのもつかの間、ひょいと持ち上げられてしまった。
うっすら残っている意識で理解したのは、今シャオロンに横抱きされていること、ロボロが私の額を触って何かを確認して話していることだった。
「ロボロ、先トレーナー室行って、あれとあれとあれ用意しといてや。俺もすぐ行く」
「ん。Aトレーナーのこと怪我させへんように、優しく頼むで？」
「当たり前やろ。...大丈夫、Aトレーナー？今連れてったるからな、安心してええから。」
「...ごめ、」
自分でも何も分からない状態のまま謝罪すると、謝らんでええから、と優しい声が返ってきた。
「いまAトレーナー、ヤバい状況やから。...全部俺とロボロに任せてくれてええから、休んでや。眠かったら寝てええよ」
「う、ん...」
なぜだかその言葉に反論も遠慮も出来なくて、ただ私はシャオロンに身を任せながら、ほんのり暖かく、筋肉のある程度ついた、それでも細めの腕に抱かれ揺られていった。
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うん - 両方好きなので、とても嬉しかったです！！リクエストよろしければ、e／mさん書いてくれますか…！ (2022年10月27日 8時) (
レス) id: 23e75d003f (このIDを非表示/違反報告)
歩希/Ayumu(プロフ) - あさん» コメント、並びにリクエストありがとうございます。ぜひ書かせていただきますので、気長にお待ちください。 (2022年9月29日 2時) (レス) id: 883edcee1d (このIDを非表示/違反報告)
あ - とても面白かったです…！ リクエストが良いのか分かりませんがご迷惑でなければ ｼ/ﾝ/ｼﾞ/ﾝで書いて欲しいです…！ (2022年9月28日 23時) (レス) id: b70f974580 (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - あああああああ…。有難うございます大好きです需要しか無い…。（拝んだ） (2022年9月26日 11時) (レス) id: 073ffef2d2 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ - ウワ好ｯき 作者さんありがとうございます！！！ (2022年9月24日 23時) (レス) id: 1869c0d867 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歩希/Ayumu | 作成日時：2022年9月23日 22時
