把握 ページ22
体操服に着替え、グラウンドに出る
常々思うが、このグラウンドの広さは尋常じゃない＿＿いや、尋常じゃなければマトモにヒーロー育成などやっていられないだろうが。
「個性把握……テストォ⁉」
原作通りに、消太くんから告げられたのは「個性把握テスト」の実施。
漫画で読んだときにも思ったが、入学式すら無く、いきなり「テストします」なんて、殺意しか湧かない。まぁ、学力テストじゃない分、マシなのだが。学力テストだったとしても、今世、そこそこ頑張って、学年上位三十には入り続けてたからいいんだけど。
「入学式は⁉ ガイダンスは⁉」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事、出る時間ないよ」
「…………⁉」
交わされる会話を、みんなから少し離れたところで眺めていると、各々の表情が見える。
テストと聞いて不安な表情を浮かべる者、感情がすっぽり抜け落ちてしまったかのように無表情の者、手のひらを見つめ思案する者。
その様々な反応に、それぞれの性格が現れ出ているから、見ていると楽しい。
「ソフトボール投げ、立ち幅とび、五十メートル走、持久走、握力、反復横とび、上体起こし、長座体前屈。中学の頃からやってるだろ？ ”個性“ 禁止の体力テスト」
数人、コクリと頷く人がいた。
「国は未だ画一的な記録をとって平均を作り続けてる。合理的じゃない。まぁ、文部科学省の怠慢だよ」
消太くんはこちらを一瞥し、「渡我、ボール」とだけ短く伝えた。
私の隣には、ボールを始め、測定に使う道具の諸々が入ったカゴがあった。意識的に隣に立ったわけではないので、かなりびっくりした。
カゴからボールを取り、消太くんに投げ渡す。
「ん。爆豪、お前中学の時ソフトボール投げ何メートルだった」
「六十七メートル」
無愛想な声で答えた爆豪くん(教室でマジメなのと口論してたツンツン)に、消太くんはボールを軽く投げ渡して「 ”個性“ を使ってやってみろ」と告げる。
爆豪くんは腕を伸ばすストレッチをして、物騒な掛け声と共に空高く投げた。
「死ねえ‼!」
爆豪くんの掌で起きた爆風によって勢いよく飛んでいったボールはやがて見えなくなり、代わりに消太くんの手元にある機械のピピッという音で着地が知らされる。
「まず自分の ”最大限“ を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
消太くんがみんなに見せた機械には、七百五．二メートルの数字。
みんなが湧き上がった。私と、あと一人を除いて。
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カナ - トガちゃんの成り代わりは私得ですね。笑更新頑張ってください。 (2019年1月29日 23時) (
レス) id: 270e06f60b (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ@無理ゲーはパス。 - ツインテトガちゃん可愛い (2019年1月14日 14時) (レス) id: e44d61dba0 (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - 成り代わり！しかもトガちゃん！もう大好きが勢揃いで嬉しいです！更新大変だと思いますが頑張って下さい！ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
ハムぴょん - ああ面白いぃぃ！！！とがちゃん好きだから嬉しい！更新頑張ってください！！！！！ (2018年12月17日 21時) (レス) id: e2495abf65 (このIDを非表示/違反報告)
愛と正義 - めちゃ面白いです！！ (2018年11月26日 22時) (レス) id: 270e06f60b (このIDを非表示/違反報告)
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