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さいしょ ページ1

最初の記憶は、もう少し穏やかで、温かいものがよかったな。

なんてぼやいても、過去も現状も変わらない。


目の前に揺れる巨体。いや、それは正しくは巨体ではない。けれどこちらの視点が低い故に、それは巨体だと表現される。

私の目の前のソレは拳を振るう。

誰が為、と問われればそれは己が為と私は答えるだろう。

実際、彼等の目には、私は人としては映っていない。溜まりに溜まった鬱憤やらを拳に乗せ、私にぶつけることで快感を得ようとしている。私はストレス発散の道具と化していた。


「ねぇ、あんた。そろそろ止めたら? 死んだらマズいし……」

「いーや、まだだ」

「……あっそ」


目の前の彼等は話す。女はもう手出しをする気は無いようで、男をも止めようと声をかけた。しかし男はまだだと言う。
たった今衝撃を受けた頰だけでなく、全身を襲う痛みのどれも、きっと彼等によるものだろう。何故私は今このような状況に置かれているのかなど、考える隙もなく痛みが襲う。
思わず頰をおさえた手は、とても小さく冷たかった。

私はずっと、唇が切れると、そこから血を吸い出す癖がある。ちうちう、と吸い出すのだ。今も、頰に受けた衝撃のせいかは定かではないが、唇が切れていて、そこから血を吸い出している。

ふと動かした右手のつま先に、何かが当たる。
視線をよこすと、目に映ったのは乱雑に投げ出された、ハサミとカッターナイフ。

一瞬過ぎる考え。……さすがに、ソレはダメだろう。けど。

男の拳に、頭を強く打った。床に額をぶつける。


「……ゔ」


__もう、嫌だ。
手に力を込め、ぐぐ、と体を持ち上げる。ボロボロで傷だらけの腕は、見ていて痛々しい。
そして立ち上がりざま、カッターナイフを手に取った。


そこからはあまり覚えていない。
ただ、あのまま思い留まっていたら、私の未来は絶望に閉ざされたままだったんだろうか。

けいさつ→



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カナ - トガちゃんの成り代わりは私得ですね。笑更新頑張ってください。 (2019年1月29日 23時) (レス) id: 270e06f60b (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ@無理ゲーはパス。 - ツインテトガちゃん可愛い (2019年1月14日 14時) (レス) id: e44d61dba0 (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - 成り代わり!しかもトガちゃん!もう大好きが勢揃いで嬉しいです!更新大変だと思いますが頑張って下さい! (2018年12月29日 1時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
ハムぴょん - ああ面白いぃぃ!!!とがちゃん好きだから嬉しい!更新頑張ってください!!!!! (2018年12月17日 21時) (レス) id: e2495abf65 (このIDを非表示/違反報告)
愛と正義 - めちゃ面白いです!! (2018年11月26日 22時) (レス) id: 270e06f60b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天子夕夏 | 作者ホームページ:ナシ  
作成日時:2018年11月15日 5時

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