何に代えても貴方を守る ―２ｎｄ― (ページ21)

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６４, ページ21

いつもこんな風に逃げた

誰かに任せて

自分が責任を取るのが怖いからって

京の時と同じように目を背けた

こんな自分が嫌だ
なのに

“そのままで良い”なんて言葉を
私にかけてくれた人もいて

でも、みんないなくなる

『私はどうしたらいいの...』

カ「あの...」

なぜかそこにはカンナがいて

『なにか用事？』

カ「いえ、あの...」

少しオロオロしている

『大丈夫だから言ってごらん？』

カ「Aさんは...そのままでいいんですよ」

『...え？』

カ「さっきどうしたらいいのか
悩んでたみたいなので...
AさんはAさんのままで良いんだと思います
あ、あの...ごめんなさい...勝手なこと言って」

その言葉を、一番言ってほしかったのに
ずっとその気持ちを抑えてたんだ
言ってくれた人がいなくなるのが怖くて

カンナの頭を優しく撫でる

『ありがとう、カンナ。
　ふふ、こんなに嬉しいって思ったのは久しぶり』

カ「Aさん笑いました！」

『え？笑ってる？』

カ「はい！」

そんなカンナの笑顔にとても温かさを感じた

『...私頑張るよ。今の自分なりに...さ』

カ「はい！」

『カンナ...頑張って。出来ればカンナには
死んでほしくないな...
カンナだけじゃないんだけどね』

カ「私に...何ができるんでしょう」

『少なくとも私を助けてくれた、それで充分なの。
　誰かを助けることができるって凄いんだよ？
　人を助ける、それが今のカンナに出来ること
　それしか今の私には言えないや』

ニコッと笑いかける

カ「ありがとう...ございます...！
　 Aさん、笑ってた方が可愛いです」

『私が？って言っても
心から笑ったのなんてカンナも含めて
３人しかいないし...まあ頑張ってみようかな』

カ「じゃあAさん、また」

『うん、また、ね』

心がかなり軽くなったような気がした
カンナは私にとって救世主のような
人だったのかもしれない