非常時。 ページ38
「外を見てわかるとおり、雨が強くなってきた。暴風、大雨共に警報が出たため、今から下校だ。10分後に雨が少しだけ弱くなる」
教室は、喜びと戸惑いの声で埋まった。
「大雨……」
その騒がしい渦の中心にいる私は、ちらりと相川の方を見た。
一番隅に座る彼は、周りの目を気にせず、確かにそう呟いた。
声なんて聞こえないけど。
「帰宅が難しそうだったら学校に戻ってこい、いいな?」
「「はーい」」
大雨で一斉下校とか中学ぶりだな。
電車止まってそー……このまま学校いようかな。
私もそうする!お母さんに連絡入れないと。
俺傘持ってきてないよ。
落ち着きたい時に限って、周りの音をよく聞いてしまう。
「A、支度できた?」
『待って、ちょっとだけ待って』
手が震えてカバンが上手く閉まらない。
今日は体操服を持ってきていない。
制服で帰るしかないか……。
見ると、クラスの子たちも同じようで皆制服で帰るようだ。
『相川、お待たせ』
「そんなに待ってないよ。早く帰ろう」
と、するのはいいが、私も相川も傘を持ってきていない。
予報は出ていたけれど、大雨は夕方の予定で、その通りだったら家に帰れていたのに。
生ぬるい風が制服から出ている肌に触れる。
先生が見せてくれた天気予報のとおり、雨は一時的に弱くなった。
ーーーーー
お久しぶりです。
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絵鞠(プロフ) - ぬいめさん» ありがとうございます。期待の真下にあるような作品かもしれませんが、頑張ります! (2022年12月28日 18時) (レス) id: b2d7297930 (このIDを非表示/違反報告)
ぬいめ - 素敵なお話ですね!続きが凄く気になります、これからも更新頑張って下さい! (2022年12月19日 20時) (レス) id: b9e070215e (このIDを非表示/違反報告)
夢猫 - いつまでも待ってます!無理なく頑張ってください! (2022年10月20日 20時) (レス) @page39 id: f1d57ac7c3 (このIDを非表示/違反報告)
絵鞠(プロフ) - 夢猫さん» ありがとうございます。とてもゆっくりな更新ではありますが、待っていてくださいね! (2022年10月16日 13時) (レス) id: b2d7297930 (このIDを非表示/違反報告)
夢猫 - 初見です。夢主ちゃんとまふくんのとても可愛い日常生活を毎回楽しく読ませてもらってます。これからも頑張ってください❣️ (2022年10月4日 16時) (レス) @page37 id: f1d57ac7c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絵鞠 | 作成日時:2022年3月18日 16時